――引退を決断された要因は何ですか?
「いろいろなことをトータル的に考えて、体の状態や自分のパフォーマンスのパーセンテージ、ここが1つのターニングポイントかなと考えた」
――いつ頃決断を?
「(最後に出場した)水戸戦の後ですかね。思うようなパフォーマンスができないと感じた」
――悔いは?
「そりゃサッカー選手ですから、今日もみんなとボールを蹴ったら楽しいですし、まだ、できるんじゃないかと、毎日思いますよ。ただ、また、1年間体の維持をしながら、レベルアップの目標を掲げてやることを考えたら、難しい状況なのかなと思いました。悔いの無いスポーツ選手なんて、俺はいないと思います」
――いろいろなことを、北九州では味わったと思いますが?
「移籍するのは迷ったけど、すぐ来てほしいって言ってもらって、すぐ決断して来て、昇格して・・・。1年目はすごく苦労して大変な思いもしたけど、2年目3年目は、本当に充実していた。形だけじゃなく、本当にJ1を目指そうと真剣に目指していた。そういう部分が、本当に幸せだったと思うし、チーム全員が押し上げてくれたのは、うれしかったですね」
――三浦監督との出会いは?
「本当にすごく良い意味で、1年やるとめっちゃ疲れます(笑)。毎日が、緊張感と全力を尽くさなきゃいけないし、なかなかプロのチームで、ここまでアラートに練習から、100パーセント継続するっていうのは、自分の13年でもなかったので、この2年間は濃かったですね」
――ここ最近は、けがもありましたが?
「去年からけがをして、今年はオペもして、体に掛ける時間っていうのも多くなって、サッカーだけの生活を続けて来たけど、なかなか元に戻らなかったというのが正直なところです。最後、ボロボロになるまでやるっていう選択肢もあると思うんですけど、自分はそれを選ばなかったということです」
――プロ生活13年を振り返って、どうですか?
「早かったですね。ほんと、あっという間に流れたし、その反面長かった気もする。普通の人ができない経験を、させてもらったし、サッカーが与えてくれた出会いは、本当の宝物になると思うんで、胸を張って良い13年間だったと言えます」
――今後は?
「今は、B級のライセンスまで取っている。今後は、ちょっとゆっくりして、時間を掛けて考えようと思っています。サッカー選手じゃなくなっても、サッカー人だと思っている、それは一生変わらない。サッカー界に、何か貢献出来たらなと思っている。今年は終わるのが早かったから、自分に少しゆっくりさせてあげる時間を作っても良いかなと。ただ、まだ練習はあるので、最後までチームと帯同してやりたい」
――栃木戦の監督のユニフォーム姿は見られましたか?
「見ました。あれには、泣けてきますよね。徐々に徐々に、そういう実感っていうのは湧いて来るだろうし、今はあいさつなんかでバタバタしてるので、落ち着いたら思い出すんじゃないでしょうか?」
――北九州のサポーターに一言
「移籍して来た時残り9試合っていう状況で、昇格の手助けとして来たけど、すぐ迎え入れてくれて皆さん応援してくれたんで、すごく感謝しているし、自分たちが与えるよりも大きなパワーだとか勇気を、本当にもらったと思っている。でもギラヴァンツは、これから先も続いて行くんで、本当にこれからも応援してほしい」
――北九州に来る以前からも、応援してくれたサポーターにも一言お願いします。
「18歳にプロになった2000年から、変わらず応援に来てくれていた人には感謝していますし、そういう人たちがいたからこそ、本当に苦しい時に頑張れるかなと思った。13年で自分の人生が終わりじゃないんで、これからもそういう皆さんに、胸を張って会える人生にしたいですね。本当に感謝していますと、お伝えください。お願いします」
(北九州担当 坂本真)
2012/11/15 09:39