謙遜しながらも、赤井秀行の言葉からはプロの世界で揉まれてきた自負が伝わってきた。
「あのころと比べたら、自分も多少は成長しているのかなと」
“あのころ”とは、栃木に加入した08年のルーキーイヤーを指している。その当時、栃木を率いていたのは、現・北九州の指揮官である柱谷幸一監督。加入当初は厳しい言葉を投げ付けられていたという赤井だが、シーズン終盤に4バックから3バックにシステム変更すると、抜群の守備力を生かして定位置を確保。結果的に、栃木のJ2参入の立役者の一人になった。
「3バックの一角で、つぶし屋を任された。それで開花したというか、うまくハマって試合に出られるようになった。3バックになっていなかったら、いまここにいないかもしれない(笑)」
そう言い切れるほど、赤井にとっては大きなターニングポイントだった。プロとして生きる道を示してくれた恩師に、5試合ぶりの零封で「成長した姿を見せたい」(赤井)。
(栃木担当 大塚秀毅)
2014/05/27 20:25