鈴木大輔は、そのプレー同様、いつも冷静な口調で取材に応える。W杯のメンバー発表が近付いてもそれは変わらず、常に「自分が厳しい状況にいると分かっている」と一歩引いた視点で話をしていた。
12日も、自宅のTVで会見の模様を見ていたが、「五輪のときは、結構緊張した。『あるよなオレ』みたいな感じのモチベーションだったけど、今回は『ないっしょ』という感じだった」。そして、鈴木が覚悟していたとおりの結果が出た。
期待はゼロではなかっただろうが、かといって落胆した様子はない。CBとして、途中からチームへ入っていくことの難しさも、十分に理解している。落選という結果にも、「次に向けてイチからチームでやっていこうかなというところ」だと淡々とした口調で語っていた。
一方、同じく代表候補に名前が挙がっていた工藤壮人については、自身とは違い「入ってもおかしくない状況だったと思う」。それでも、結果としては柏からブラジルに行くメンバーはいない。
それぞれに、抱える思いはある。ただ、鈴木は、「チームでやっていくしかないし、自分たちは戦いが続くので。そういう悔しさは、サッカーで取り返せるモノだと思っているし、ここから工藤も爆発してくれると、オレは信じている」と言い、まだまだ続くJの戦いへ目を向けていた。
(柏担当 石原 遼一)
2014/05/17 03:34