阿部翔平にとって、今節で対戦する神戸の安達亮監督は“幻の恩師”だ。阿部は横浜フリューゲルスJY出身で、中3の秋は昇格を前提としてユースの練習に週1回程度参加していた。その当時のフリューゲルスユース監督が安達亮氏で、翌年も指導を受けるはずだった。
しかし阿部少年の運命は、その年の10月末に湧いて起こったフリューゲルスの合併問題に翻弄される。そもそも阿部には市立船橋高志望だったが『お前は高体連向きじゃない』と言われてユース昇格を決めた経緯があった。しかしクラブの合併により「(横浜FMユース昇格の)枠がないかもしれない」(阿部)という事態が生まれ、話は元のさやへ。「(市船OBの)安達さんとかが話を聞いてくれて、話を進めてもらった」のだという。
市船に進んだ阿部はプリンスリーグなどで、横浜FMユース監督に転じた安達亮氏と対戦する機会があった。“師弟対決”については「あの人には絶対負けられないなという感じで、ほぼ負けていない」とのこと。今回の神戸戦でも幻の恩師への“恩返し”が期待できそうだ。
(甲府担当 大島和人)
2014/05/08 22:53