第7節・札幌戦(1○0)で田坂和昭監督が最も警戒していたのが、かつての教え子・前田俊介だった。
「一緒にやったことのある選手たちは俊の技術やアイディア、イマジネーションを十分知っているのだが、それでもあえて、しつこいくらい彼の映像を見せた」
07年6月から田坂監督就任初年度の11年まで大分でプレーした前田は、広島ユース時代からその超絶技巧で天才と呼ばれながらなかなか開花せず、ファンからは「前俊を諦めない」と言われ続けてきたが、今季は開幕当初から絶好調を維持。
田坂監督は対戦後、「やっぱりイヤな存在だった。本人にも言ったけど、終盤は俊がサイドに行ってくれて助かったよ」と笑った。
試合後に古巣のサポーターに挨拶しようと、大分のスタッフにゴール裏を指しながら「連れてって」とせがんだ前田。その変わらないひょうひょうとした風情で、「いまや別の意味で前俊をあきらめない。また大分に帰ってきてほしい」とサポーターに言わしめた。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2014/04/16 23:10