バルバリッチ監督が家庭の事情で急きょ帰国を余儀なくされたため、その間、監督代行を務めることになった青野慎也コーチ。青野コーチは、これまでもバルバリッチ監督に退席処分が課せられた時に試合で監督代行を務める時はありましたが、今回は練習も含めてトータルでチームを指揮することに。そして、10月31日が監督代行として初めての全体練習となりました。
その練習では、バルバリッチ監督のように語気を強めたり、身振り手振りを交えて指導を行うわけではありませんが、選手の兄貴分的存在の青野コーチらしく、選手たちと程よくコミュニケーションを取りながら、随所にビシビシと厳しい言葉が飛んでいました。
練習後、青野コーチからは「今日の練習は不完全というか、自分の持っているテーマをうまく出せなかった」とちょっと反省の言葉が。バルバリッチ監督からは、「分からないことがあれば、いつでも連絡をくれれば対応する」とサポートも得られるようですが、まずは「今までに監督がやってきたことを続け、その延長として自分が思うことを付け加えてやっていこうと思ってます」と“青野色”も随所に取り入れて行いたいとのこと。
続けて、「シェフ(バルバリッチの愛称)がいなくなって選手たちにふわふわした気持ちが出てくると思うけど、それをどう抑えるかも考えていかないといけない。監督代行という立場はこれまでのコーチと同じではないし、選手とのスタンスなども少し考えないといけない。時には厳しい面も見せていかないといけない。ただ、自分は選手とのコミュニケーションを大事にしてきたので、選手とのコミュニケーションを大事にしながら、時には引き締めるなど、メリハリをつけてやっていきたい」と意識の見直しも。
「ここまで監督が6試合負けなしで持ってきているし、それを自分が続けていかなくてはいけないプレッシャーは感じている。監督が帰国すると聞いた時にはすごく考え込んだけど、考えても仕方がないし、今はやるしかないという気持ちになった」と吹っ切れた様子。また、経験の少なさは自身も認めつつも、「自分も含めてチームスタッフも経験がない人間ばかり。だからこそ、スタッフと選手たちが力を合わせて良い雰囲気を作り、残りの2試合を勝ちにいきたい」とチームが一丸となる必要性を説きました。
いずれ“代行”という言葉が取れる指導者を目指す身にある青野コーチがこの2週間で得る経験はとても大きなものになるでしょう。
(愛媛担当 松本隆志)
2012/11/01 15:13