台風4号襲来のため、午後練習が中止になった19日のいぶきの森球技場。今日のブロゴラは何を書こうかといつも考えてみるのですが、今回ばかりはこの選手に話を聞かないわけにはいきません。先日の磐田戦で圧巻のハットトリックで勝利に貢献した小川慶治朗選手です。さぞかし、興奮冷めやらぬ感もあると思いきや、小川選手の開口一番はこうでした。
「もう切り替えてますよ!」
それもそのはず、試合後、ユース時代の恩師たちからメールで祝福を受けた一方、「『次が大事』という言葉をいただきましたんで、一日で切り替えました(笑)」とのこと。頭に“鬼”がつきそうな恩師たちを前に小川選手に立ち止まっている暇はなさそうです。ただ、それでも、ハットトリックの反響や自分自身の受け止め方など、いろいろ話を聞かせてもらいました。
「周りからは『どうしたん?』『何があったんや?』って(笑)。中学高校とか一緒にやってた人とか親とかは本当に喜んでくれてましたね。試合の日の夜は余韻に浸ることはなかったんですけど、ちょっと興奮して寝れなかったっていうのはありました。ただ、そんなにゴールシーンを思い返したりとかいうのはなくて、勝てたってことでホッとして寝れた感じでした」
3得点は、決定機を確実に決めたFWらしいゴールでした。
「1点目に関しては、あそこを狙えってずっと言われてて、この前とかの試合でもクニさんがヘディングしたやつを狙ってなくて怒られたりしてたんです。そこにいたら来るぞって。ラッキーだったんですけど、あれで気持ち的にも楽になって、後半はシュートの前も落ち着けてました。何も考えてなかった、って言ったらそうなんですけどね(笑)」
試合後には西野監督から言葉をかけられたようです。
「いま考えたら何を言われたのかあんまり覚えてない・・・(苦笑)。でも、『あれをやらないと』みたいなことを話してもらって、僕の中で『あれがFWや』って。前日の練習でも『結果』ということは言われてました。試合が終わった後に『頑張ってたな』『走ってたな』って言われても数字が残ってなかったらそれまでなんで。結果というのは、自分自身もこだわってました。次の試合もゴールを取って勝つ、結果ですね、チームも個人も。まぐれとか言われたくないし、コンスタントに取っていきたいです」
小川選手の話の中には“責任感”という言葉がありました。
「(得点は)5試合ぶりでしたし、勝ててなかったのもある。決定機を外してたんで、3点というか、得点を取れたということで、そのうえ勝てたのが良かったですね。神戸は結構、勝った後に大敗したりする。そこはみんな引き締まってると思うし、自分自身も次への切り替えということを頭に置いてオフも過ごしました。次だけを目指してやりたい。次、しっかり戦えたら自信にもなりますし、自分たちのサッカーがわかってくるんじゃないかと思います」
今季から神戸のエースナンバー「13」を背負う小川選手がつねづね、話していることは「神戸を強くしたい」ということです。週初め、小川選手の視線はすでにホームズで行われる新潟戦に向けられていました。
(神戸担当 小野慶太)
2012/06/21 00:00