左SBの位置から、鋭い斜めのくさびパスをFWに入れることに長ける中島崇典。かつて在籍した福岡では「戦術の一つだった」と田中誠氏が明かしたこともあったように、中島のパスはさまざまなチームで攻撃における重要な起点となってきた。
11~12年に在籍した柏時代、中島は“くさびパスを受ける達人”に出会う。今節対戦する北嶋秀朗(熊本)だ。「斜めに下りてきて、ちょっと角度をつけて一瞬で引き出す。そのとき相手を外してくれているから、そこで(敵から)遠い足に入れて収めてもらう」(中島)。公式戦で披露する回数は少なかったが、練習場ではバシバシとミドルレンジのパスが通っていた。「助かっていました」。そのときを中島も述懐したが、こうも続けた。
「勝ちたい気持ち、点を取りたい気持ちは誰よりも強い。スキを与えるとやられる」。
頭のなかは「紅白戦すら出られないときでも、常に言葉をかけてくれた」という北嶋に「感謝の気持ちでいっぱい」だ。しかし中島は「(現役引退を控えた)キタジさんを『送る側』だけれど、仕事をさせない」と、固く決意している。
横浜FCの選手名鑑(クラブ公式サイト)
(横浜FC担当 田中直希)
2013/11/14 18:53