ホームの福岡にとっては、勝たなければいけない試合だった。狙いどおり、主導権をつかんだ中で先制点を挙げた。さらに、相手の攻撃を受けながらも、城後やオズマールが相手の背後を突いて、再三2点目を取るチャンスを得た。だが、突き放すことができなかった。終盤には割り切って、時間稼ぎするという判断もできたはず。しかし、このいずれもできずに試合終了間際にオウンゴールで引き分けに持ち込まれた。結果論かもしれないが、2点目を取る力強さも、1点を守り切るしたたかさも、今の福岡にはなかった。
リードして終盤に追い付かれるという展開は、第33節の東京V戦と同じ。いや、それだけでなく、今季は何度もリードしてリズムを失う展開を何度も見てきた。この引き分けをある選手は、「東京V戦から学んでいない」と言い、ある選手は「(リードしてから)どうやって守るのか、チームとしての決め事がない」とうつむいた。
ある意味、チームとしての戦い方を明確に示せた試合だった。だが、この時期にそれができても、あまりにも遅かった。この引き分けで、福岡の7位以下が決定し、今季昇格が無くなったのだから。
(福岡担当 荒木英喜)
2012/10/03 14:16