7日の天皇杯2回戦、そのときが訪れたのは79分だった。投入された場所は予想どおりシャドー。2日のトレーニングマッチではそのポジションを試されていたからだ。
09年途中に松本にしてから、主戦場は左サイドだった。昨季からチームは[3-4-2-1]を用いているが、やはり鐡戸裕史は左ワイドでの起用が専らだった。選手層の厚くなった今季は同ポジションにライバルも増え、ここ数節はベンチから外れている。
ただ、指揮官は「鐡戸には攻撃のアイディアがある」と評価しており、その攻撃力を生かす一つの手段として、シャドーでの起用を模索していた。本人も「この年になって、プレーの幅が広がる」と前向きだ。
「最近は『成長するチャンス』とプラスに考えられるようになった。もう一回ポジションを奪い返すために前向きにやることが、自分のため、チームのためでもある」。チーム最古参プレーヤーの新たなスタート。その表情に迷いは、ない。
松本の選手名鑑(クラブ公式サイト)
(松本担当 多岐太宿)
2013/09/12 17:15