「パスゴール」と言えば、昨季の第26節・名古屋戦で森脇良太(現・浦和)が決めたゴールのことだ。後半アディショナルタイムでの決勝弾となった森脇のこのゴールは、優勝争いを勝ち抜くためには必要な“運”や“奇跡”を感じさせ、優勝を予感させる意味でも印象深いゴールとなった。森脇のキャラクターとネーミングがピッタリと一致し、そこにドラマ性も加味されて、今でもサポーターの語り草になっている。
その「パスゴール」が、広島で今季も起きた。第13節・湘南戦でのこと。塩谷司のフィードに抜群のスピードで抜け出したミキッチは、シュートを放ったというよりも、“そのスピードのままゴールした”というような得点を奪い、ミキッチは自ら今季初ゴールを「パスゴールだ」と語ったのだ。劇的度やドラマ性では森脇のゴールにかなわないが、リーグ戦でのミキッチのゴールは実に2年ぶり。希少価値は高く、「パスゴール」の名にふさわしい。
果たして、ミキッチのパスゴールも何かを予期しているのだろうか。
(広島担当 寺田弘幸)
2013/06/15 09:00