

インターセプトした相手の縦パスを味方に展開し、チャンスと見るや、ゴール前まで駆け上がった。そのプロセスでナ・サンホからクロスが上がってくることを予測。「フリーになれるという感覚があった」白崎凌兵は、ダイレクトでの折り返しを選択したが、ゴール前に飛び込んだ林幸多郎にわずかに合わなかった。
先発試合では毎試合のようにチームトップの走行距離を記録する白崎にとって、ポケットへ進入するフリーランはまさに真骨頂。直近の柏戦で披露した、奪って展開し、前へ出ていく一連のプロセスを本人は「覚えていない」と言うが、それだけガムシャラだった証だろう。シュートか。クロスか。ギリギリまで迷っていた選択肢について、白崎はこう振り返る。
「最初はギリギリまでシュートを打とうと思っていたのですが、角度と自分の体のバランス的にシュートまで持っていきづらいと考えたので、中に折り返したのですが、もうちょっとパスが優しければ、幸多郎あたりが触れたのかなと思います」
町田加入3シーズン目の白崎は、ACLエリートリーグステージ最終節の成都蓉城戦を機にボランチのポジションを奪取。ただ本人は「いつ代えられてもおかしくないし、首の皮1枚でつながっている」との危機感を隠さない。
転機は心持ちの変化。昨季はそれほど出場のチャンスをつかめず、一喜一憂している自分がいたが、試合に出る、出られないを決めることなど、「自分が管理できること以外にあまり気を取られ過ぎないという意識」を持つようになった結果、「ブレないことが一番の強さ」と気付かされたという。
昨夏に加入したネタ・ラヴィとは日本語と英語を駆使し、コミュニケーションを取ってきたため、互いのストロングポイントを引き出し合う良好な関係性を構築できている。「オレのラヴィのことが好きだし、ラヴィもオレのことを好きだと思う(笑)」と“相思相愛”のダブルボランチであることを強調した。
中3日で迎えるJ1百年構想リーグの次節は、2019年から21年の夏まで在籍した鹿島アントラーズとの古巣戦。鹿島と比較して町田は1試合消化試合が少なく、勝点4差で追い掛ける立場だが、国立競技場で首位チームを迎撃することに「最高の舞台だし、最高の相手」と目を輝かせた。
白崎が在籍していた当時の鹿島は、“常勝軍団”と言われながらも、国内タイトルから長らく遠ざかっていた辛抱の時期。それでも昨季の鹿島は9年ぶりにリーグタイトルを奪還し、あらためて強者の道を歩み始めている。タイトルの味を思い出した相手との古巣戦を前に白崎はこう言った。
「鹿島には知っている選手も多いですし、ずっと苦しんでいたのも実際に知っています。それでも昨季は結果を出して、今年は試合内容が良くなっていることに加えて、結果も伴っている。自信を持って臨んでくるだろうけど、申し分ない相手に対して、ガチンコでやりたいですね」
真っ向勝負を挑んだ先の首位撃破を−−。鹿島の勝負強さを直に体感してきたボランチが、町田の勝利のために、縦横無尽にピッチを駆け抜ける。
【ホームゲーム情報】
明治安田J1百年構想リーグ第7節
3月18日(水)19:30キックオフ
FC町田ゼルビア vs 鹿島アントラーズ
MUFGスタジアム
https://www.zelvia.co.jp/news/news-339099/
(町田担当 郡司聡)
2026/03/16 10:40