12日、前日に柏への完全移籍が発表された山下達也が、C大阪のユニフォームを着て最後の練習に臨んだ。
柏からのオファーを受けたのは「先週の前半」(山下)。急転直下の移籍劇となったが、「自分の置かれている状況を冷静に見て、決断しました。選手として、試合に出ることにこだわりたかった」と移籍を決断した理由を明かした。クラブとしては慰留に努めたが、本人の意思が固く、最後は快く送り出すことになったようだ。
近年は、13年のJ1での躍進、16年のJ1昇格、17年の二冠獲得といったいい年だけではなく、14年のJ2降格、15年のJ1昇格失敗と、チームが苦しいときも、歯を食いしばってチームを支え続けた山下。
「自分がこのチームに何かを残せたかと言えば、そうではないかもしれないけど、チームはどうあるべきか、ということは示してきたつもりやし、そういう態度は取ってきたつもり」
ここ数年は「試合に出たり出なかったりが続いた」が、どのような状況に置かれても、態度や振る舞いは変わることなく模範であり続けた。「(後輩が)何かを感じてくれていたらうれしいですね」と微笑む。
練習後は、集まったファン一人ひとりに丁寧に対応。最後はサポーターの前でスピーチを行い、涙ぐむ場面もあった。
山下は、13年のJ1第12節・アウェイでの柏戦、負傷した茂庭照幸(FCマルヤス岡崎)に代わってピッチに入ると大活躍。レギュラーを掴むきっかけにもなった。その意味で、柏は縁のあるクラブ、スタジアムとも言える。
今季の開幕戦、神戸を撃破する決勝点を決めたのは山下。まだまだベンチを温めるには早い。新天地での活躍を祈りたい。
最後は同い歳のGKキム・ジンヒョンと一緒に走って、C大阪での練習を終えた
写真:小田尚史
(C大阪担当 小田尚史)
2019/08/12 15:52