次節の大宮戦は、栃木の横山雄次監督にとって古巣戦であり地元での一戦となる。
「大宮は選手時代も含めれば13年間お世話になった地元のクラブ。やりがいがあるし、楽しみな一戦です」
04年には大宮のトップチームのコーチとして三浦俊也監督を支えてJ1昇格に貢献。その後、大宮のジュニアユースやユースの指導者として過ごしたのち、秋田の監督や湘南のコーチを経て、16年に栃木の指揮官に就任した。J2から降格したチームが軒並み苦しむ群雄割拠のJ3で、2年連続2位という成績を残して栃木をJ2に復帰させた。
3年ぶりにJ2に復帰した今季、古巣・大宮との初対戦は5月の第16節(0●1)。
「大宮がJ2に落ちたことは非常に残念。ただ、栃木がJ3からJ2に昇格して大宮と対戦できることを個人としてうれしく思います。やりがいがあるゲームですよ」
対戦前に話していたが、前回の古巣戦は指揮官にとって消化不良のゲームに。14分にペナルティーキックを与えて先手を許すと、その後大宮を苦しめたものの先制ゴールが重くのしかかった。いわば自滅による敗戦だった。「大宮を楽にさせてしまった敗戦。悔しさだけが残った試合です」
不甲斐ない、納得できない負け方だった。あれから5カ月弱が経過する。栃木はタフな夏場もリーグ屈指の運動量をベースに乗り切り、勝点を稼いできた。指揮官・横山雄次が求めるベクトルに沿って選手たちは着実に成長してきた。
前節はJ1昇格争いの渦中にある横浜FCに攻め合い守り合いの緊迫したゲームを展開し、スコアレスドロー。攻め切れなかったが、持ち前の堅い守備を前面に押し出し、後期戦で9度目となるクリーンシートで勝点1を手にした。
昇格争いからも残留争いからも離れた位置にいる栃木は今、ノンプレッシャーの伸び伸びした状態でサッカーができている。次節のNACK5スタジアムでも大宮相手に臆することなく積み上げた栃木のサッカーで対抗するだろう。選手たちは雰囲気を楽しむだろう。
「今の栃木のベストをぶつけて、自分たちが危険なチームであることを見せたいと思います」
横山雄次監督が鍛え上げた選手たちとともに古巣へのリベンジに燃えている。
写真:鈴木康浩
(栃木担当 鈴木康浩)
2018/10/12 14:37