激しい球際バトルとなった前節の栃木戦。横浜FCは最後までゴールを射止めることができずスコアレスドローで終えた。J1自動昇格圏の2位以内を目標としている横浜FCにとっては手痛い結果である。それだけに試合終了のホイッスルを聞いた瞬間は、なにか重い空気さえ漂っていた。そんな中、野村直輝はすぐに胸を張り、チームを鼓舞した。
「まだまだ、ここから!」
自動昇格圏まで勝点差6で、2位以内に入る可能性はまだ十分にある。野村は「(前々節の山口戦で)負けたあとの引き分けだから悪くないし、下を向くなということを伝えたかった」。その“絶対にあきらめない姿”は2014年から2016年までともにプレーしたアン・ヨンハ氏から学んだことだという。
2016年、アン・ヨンハ氏は4月に負傷し、リーグ戦1試合のみの出場。これが現役最後のシーズンとなった。「ヨンハさんは、結局膝をケガして最後までプレーすることができなかった。でも一回もあきらめる姿を見せなかった。そういうのを僕たちに教えてくれたし、いま一番自分たちが足りないところ。だから、そういうのを残していってくれた人たちのためにも、自分がつなげていきたい」(野村)。
今季、野村はシーズンをとおして横浜FCの先輩から学んだことをチームに還元してきた。そのスタンスはブレることなく、「最後までやり続けられる雰囲気を行動でも発言でも表現していきたい」。そして「あと6試合どれだけみんなが必死になってできるか」。それが大混戦の昇格争いで求められる部分だ。
(横浜FC担当 高澤真輝)
2018/10/11 17:38