横浜FCは台風の影響で延期となっていた第26節・福岡戦を13日のミッドウィークに戦った。連戦ということもあり、第32節・東京V戦から2名の選手を変更し、システムも東京V戦の途中から採用して守備が安定した[4-4-2]の布陣で臨んだ。
試合は守備時に[4-4]のブロックを敷き、ボールを奪えば基本システムである[3-5-1-1]に可変させる形でチャンスを作っていった。しかし決め切ることはできず、終盤に押し込まれる展開となったが体を張って耐え抜いてスコアレスドロー決着。注目の一戦はアウェイで最低限の勝点1を積んだ。
この試合の中で一際目立ったのがピッチを縦横無尽に駆け回った齋藤功佑のプレーだが、佐藤謙介と田代真一が組むダブルボランチの関係性もチームバランスをコントロールしていた。どちらかがボールにアタックをすれば必ずカバーをし合うなど、前節の途中から初めて組んだダブルボランチは攻守でいい距離感を保った。「同い年だし、お互いにそこまでしゃべらなくても、やりやすかった」(佐藤)という阿吽の呼吸から、ほとんど陣形が崩れることはなかった。基本的には田代が後方に位置どり、CBには対人に強いカルフィン・ヨン・ア・ピン、ペ・スンジンが構えていることで佐藤は前目にポジションをとることができる。背番号8の持ち味である相手の虚を突くパスなど、攻撃面を最大限に生かせるため、タヴァレス監督にもオプションの一つとしてインプットされただろう。
「僕が前にいく回数が増えた。マサ(田代)が後ろでポジションをとってくれるぶん、前向きで僕もボールに関わることができる。最後のシュート(アディショナルタイムの決定機)のところは枠に入れないといけなかったけど、ああいうチャンスに顔を出せるようになるというのはよかった」(佐藤)
この福岡戦で採用した布陣で練習したのはわずか1日のみ。そのため、多少整理されていない場面やほころびはあったものの、指揮官は限られた時間の中で守備面を主に修正し、まずまずの出来を見せたと言える。
ダブルボランチの関係性、齋藤功の気概を感じさせるプレーの連続、新たなオプションなど。東京V、福岡戦との上位対決で勝点3は奪うことができなかったが、ポジティブな要素が詰まっていた。それだけに次節・水戸戦は、この2試合で得たモノを生かして勝利を手にしたい。
(横浜FC担当 高澤真輝)
2018/09/13 13:57