前節・松本戦の結果を受けてJ1昇格プレーオフを戦うこと、そして最終節を前に3位か4位の座の確保も決まり、プレーオフ1戦目となる準決勝のホーム開催権も手にした。しかし、クラブから発表があったとおり、改修工事に入るためホームであるレベルファイブスタジアムは使用できず、熊本のえがお健康スタジアムで準決勝を戦うことになった。
この状況に“ホーム・アドバンテージ”があるのだろうかとの疑問が出るのは当然のこと。例えば、亀川が「最初に聞いたときは『なぜ?』と思った」と言うように、選手たちも熊本での開催をすぐに納得できたわけではない。しかし、もともとの改修工事スタートをリーグ最終節以降にずらしてもらっていたという事実、さらにこれから工事開始を遅らせると来季のリーグ戦開幕に間に合わないという事情の中でクラブ側が最大の努力交渉をしたという事実を受け入れて「やるしかない」(亀川)と、選手たちは気持ちを切り替えたようだ。
そしていま、クラブは準決勝をホーム・レベスタと同様の雰囲気の中で戦えるように集客に力を注いでいる。例えば、入場チケットはレベスタ自由席バック側が大人2500円(小中1250円)』に対して大人1000円(小中500円)』、レベスタのゴール裏大人1500円(小中600円)』に対して大人500円(小中100円)と価格を大幅に下げ、バスツアーも早々に募集するなど、多くのサポーターに熊本まで足を運んでもらえる手段を順次整え中。
そういうクラブ側の取り組みも認識した上で、亀川は「僕たち以上にサポーターの方々が『何で?』と思ったはず。それでも多くの人が、熊本に来てくれると信じる。だから、レベスタに足を運んでくれたサポーターに対していつも思っている以上に『その期待に応えなければ』という気持ちになっている」と話す。
釈然としないプレーオフのホームゲームとなったが、それをクラブ、チーム、選手、サポーターの結束力を高める契機とし、J1昇格に向けた“逆境的パワー”としたい。
(福岡担当 島田徹)
2017/11/17 07:00