前節、山口はJ2残留を争う金沢と対戦。雨の中、「負けられない戦い」を後押しするために4,823人が来場したが、試合終了間際に失点して敗れた。目の前で金沢に残留を決められ、脱力する選手の耳に届いたのは、チャント「進め山口」を歌うサポーターの声だった。
試合が終わり、サポーターが待つバックスタンド席へ真っ先に向かったのが主将・鳥養祐矢と副主将・渡辺広大。
鳥養はそのときのことを「サポーターのところに行くまで失点の場面を思い返してしまい、一人ひとりの顔を見られなかった。でも顔を上げたとき、サポーターは『次、勝とうよ』と前向きな声を掛けてくれた」と振り返り、「本当に感謝しないといけないし、もう負ける姿は見せられない」とあらためて気持ちを引き締める。
20位との勝ち点差は『5』から『6』に広がり、状況はより厳しくなった。しかし、今週の公開練習(1日)には約50人のサポーターが足を運び、選手たちの練習を見守った。
練習後、岸田和人はサポーターの存在について「いつもどんな状況でも後押ししてくれるし、負けていても声援を送ってくれる。とても心強い」と話し、「応援してくれるサポーターのためにも最後まで頑張らないと。(残留の)可能性はゼロになったわけじゃない。その可能性を信じて、次節も最後まで戦う姿勢を貫きたい」と前を向く。
次節から東京でのアウェイ2連戦。そして最終節はホームで愛媛と戦う。「しっかり粘って、あきらめずに戦い、最終節の維新公園で残留を決められれば理想的」と鳥養。サポーターの思いを胸に、アウェイに乗り込む。
写真:田辺久豊
(山口担当 田辺久豊)
2017/11/04 10:22