ホームで戦った前節・大分戦に引き分け、J1昇格プレーオフ進出ラインの6位が勝ち点9差に遠のいた京都。それでも、前節のイ・ヨンジェのプレーはわずかな光明だったと言える。昨季はチーム最多タイの7得点を挙げているイ・ヨンジェだが、今季は第28節終了時点で1ゴールのみと不本意なプレーを続けていた。しかし13試合ぶりに先発起用された前節ではCKからの豪快なヘディングでチームに先制点をもたらし、復調ぶりを印象づけている。
さらに27日に控えるJ2第30節は、イ・ヨンジェが初めてプレーしたJクラブである古巣・長崎とのアウェイ戦。長崎での試合では昨季も1ゴールを挙げており、「長崎には良い記憶、良い思い出があるし、スタジアムの雰囲気も好き。良いメンタルで試合に臨める」とモチベーションを高めている。
ひさしぶりに先発出場した前節については「先発で出られたことは良かったし、自分のペースやリズムがつかみやすかった」と振り返るが、チームがなりふり構わず勝ち点3を奪いにいくべき正念場に立たされていることは、むろん承知。「途中からの出場でも、勝利のためにしっかり働きたい」と先発にはこだわらない姿勢を示す。
いまは敵将となった長崎の高木監督は、「僕を成長させてくれた監督。感謝の気持ちしかない」と話す、恩師と呼べる存在だ。その恩師の前で2年連続の恩返しゴールを決めることができれば、イ・ヨンジェは京都の逆襲の起爆剤となるかもしれない。
(京都担当 川瀬太補)
2017/08/25 20:43