長く、し烈なJ2のシーズンは、ようやく中盤戦に入ったところ。選手たちは表情を緩めることなく、タフなトレーニングに日々取り組んでいる。そんな中、京都のクラブハウスに、選手、スタッフの表情をしばし和ませてくれる存在が出現した。プレスルームのドアの上で子育ての真っ最中である、ツバメの親子だ。
しばらく前から卵は確認されていたが、無事に雛が誕生したのは先週のこと。いまでは、餌を待ちわびる6~7羽の雛たちが、愛くるしい頭を巣からのぞかせている。選手たちもグラウンドへ出る際、引き上げる際に足を止め、餌をねだる雛、せっせと餌を届ける親ツバメを、やさしい眼差しで見守っている。
ツバメの巣は昔から、幸運を呼び込むものとされてきた。それを信じるなら、子育てに励むツバメはクラブに幸運が訪れる吉兆なのかもしれない。
実はこの巣、完成したのは1年前。しかし、糞が落ちることを心配したチームスタッフが糞の受け皿を巣の下に設置したところ、ツバメに警戒され、巣を放棄されたという経緯があった。現在ある巣は、それが再利用されたものである。
ツバメが巣を放棄した昨季はJ1昇格プレーオフで敗れ、悲願のJ1昇格に惜しくも届かなかった。では、そのツバメの巣がしっかりと役目を果たしている今季は…? シーズンの最後に、京都にビッグな幸運が訪れていることを期待しよう。
写真:川瀬太補
(京都担当 川瀬太補)
2017/06/14 17:46