バルセロナ(スペイン)下部組織出身の15歳FW久保建英(FC東京U-18)が、3日に行われたルヴァンカップ第4節・札幌戦でJ1の公式戦デビューを飾った。
66分に途中出場でピッチに足を踏み入れると、トップ下の位置に入った。
出場から1分後にいきなりシュートチャンスが訪れ、得意の左足を強振するが、これはDFにブロックされてしまう。続く23分には相手のパスを奪ってすぐに相棒となったピーター・ウタカにパス。そのウタカにはこのあとも身振り手振りを交えながら積極的にパスを要求し、物怖じしない姿勢でプレーした。
そして84分、ピッチ中央でボールを受けると、そのままドリブルで加速。最後はDFに押されながらも左足でシュートを放ち、ボールはGKに止められたが、このプレーでファウルを受けFKを奪った。
すぐにボールを脇に抱え、自分が蹴るという意思を見せる。「阿部選手や髙萩選手、東選手にキッカーを後押ししてもらったので、蹴らせてもらいました」。先輩からのアシストもあり、絶好の場所から直接FKを狙ったが、これは惜しくもクロスバーを越えていった。
その後も周囲とのスムーズな連係や、ボールキープで敵を引き付けてからのパスなど、終始冷静かつ堂々としたプレーを見せた久保。ゴールに絡むことはなかったが、上々のトップチームデビュー戦となった。
試合後、取材に応じた久保は、「あらためて、Jリーグは本当にレベルが高いということが分かりました。今日は自分もその舞台に一歩足を踏み入れることができました」と語った。果敢なプレーに関しても、「ボールが欲しかったので、そこは意識しました」と緊張することなく堂々と振る舞えた自分を振り返った。
「いまの時点で、自分はほかの同年代の選手より半歩前にいることができているとは思います。スタートが早いだけではなくて、失速せずにこれからもやっていきたい」
これまでも代表やクラブでは飛び級で上の世代のチームに参戦してきた。しかし、この日立った舞台は日本トップクラスのレベルを誇るJ1の舞台。そこで、15歳のFWは泰然としたプレーを披露してみせた。久保建英の存在感。その大きさ、そして勢いはとどまることをしらない。
(FC東京担当 西川結城)
2017/05/03 19:50