日本代表FWの本田圭佑(ミラン/イタリア)が4日、日本代表の合宿に合流した。この日の午前の便でイタリアから帰国。今季は新たにヴィンチェンツォ・モンテッラ監督が就任したミランで出場機会に恵まれない中、6日に行われるロシアW杯アジア最終予選・イラク戦に向けても中2日での帰国となってしまったことで、試合へのコンディションが不安視されている。
練習は、同じくこの日に帰国した長友佑都(インテル/イタリア)と軽いジョギング程度のみとなった本田。「一つ心配なのは、時差ボケ。試合まで2日ぐらいの場合は、あまり(欧州時間から)戻そうとせずにそのまま対応したほうがコンディション調整もうまくいく。それはロシアでプレーしていた時代もよく経験していたので、心配はない」と落ち着いた口調で答えた。
全体的な印象として、先月の2試合のときよりもスッキリとした冷静な表情と雰囲気が際立っていた。普段試合に出られないという選手としては厳しい状況だが、その態度は現状とは裏腹なほど余裕があった。
「久しぶりに試合をすることが楽しみ。自分の中ではすごくポジティブ。もちろん、いろいろ言われている試合勘のなさといった不安は、ないわけではない。それでも結果に結び付けられるかが求められている。心配の声をね、消せるぐらいの結果を出したい」
前回のブラジルW杯へのアジア最終予選では、まさに予選突破の立役者だった。最初の3連戦でゴールを量産し、チームを一気に勢い付けた。今回の予選は、初戦でUAEに負けるマイナスからのスタート。日本代表チームにも少々沈滞ムードが漂う中で、本田は選手としてのあり方についてこう語った。
「自信が一番大事。受け身にならないこと。悪い意味でのプレッシャーを感じないこと。最終予選は、ある意味W杯本大会よりもプレッシャーが掛かる。本大会に行って当たり前という空気が、そうさせている。精神的に、そういうプレッシャーをいかに受け流すか。しっかり抱えられる選手は抱えればいいけど、抱えられない若い選手もいる。僕自身はプレッシャーはまったくないので、むしろそれを感じる選手たちを緩和させる側の立場になるようにしたい。毎度言っていますけど、僕からしたらこんなのプレッシャーでも何でもない。だから久しぶりにプレーできる楽しみしかない」
周囲が懸念する材料を言葉で掻き消し、「楽しみしかない」と公言した本田。いつもの強気な姿勢だが、それもこれも当然結果を出してこそ受け入れられることであることも、本人は知っている。
「自信のベースですか? 経験もあるけど、でも大事なのは日々のトレーニング。それが絶対的な自信を与えてくれる。僕もミランに言って、これまで試合に出られない時期があった。監督が代わる度に経験してきた。でも、その度に代表に合流してきたし、その課題を何度か経験してきているので対応も分かる。とにかく、目に見える結果を出すだけですよ」
ゆっくりと丁寧に話していった本田。周囲の喧騒をよそに、あくまで冷静にイラク戦を迎えようとしている。
文:西川結城(エル・ゴラッソ日本代表担当)
(BLOGOLA編集部)
2016/10/04 21:20