18日、三ツ沢球技場で横浜FCvs京都(J2第32節)の試合が行われる。京都の守護神・菅野孝憲にとっては、2010年以来6年ぶり2度目の三ツ沢への帰還となる。
東京Vユースから03年に横浜FCでプロ入りした菅野を育てたのは、現在も横浜FCでGKコーチを務める田北雄気氏だった。「目標は『世界一のGKになること』だって、真剣な目で言っていた。そうなりたいという思いが、ほかの選手とは比べものにならないくらい強くて、だからそれに対していま何が必要なのかというのを明確に持って、コツコツずっとやり続ける。その能力はすごかった」と田北GKコーチは当時を振り返る。06年の横浜FCのJ1昇格に菅野が果たした役割は大きかった。その後、菅野は08年に柏に移籍。09年には日本代表に招集され、その後J1優勝、天皇杯優勝、ACLでもベスト4に輝いた。
その菅野が今季、京都に完全移籍した。現在の菅野を見て田北GKコーチは「初めて背番号1を着けてピッチに立っているのは、リーダーとしての覚悟の表れだと思う。より周りに気を使いながらプレーしているというのが強く伝わってきて、そこもまた成長している部分だし、彼の姿勢が京都のチームにも影響を与えていると思う」と、愛弟子の成長に目を細める。
とはいえ「私情は抜きにして、確実に勝たなければならない試合」(田北GKコーチ)。現在の“田北塾”の塾生筆頭であり横浜FCの正GKが、かつて柏で菅野とポジション争いを演じた南雄太であることも、何か運命かもしれない。「南にはミスがあっても90分通して崩れない精神力がある。リーダーシップの面でも伸び続けているし、京都戦ではやってくれるでしょう」と、愛弟子同士の対決を誰よりも田北コーチが楽しみにしているようだ。
(横浜FC担当 芥川和久)
2016/09/15 18:44