日本代表は31日、愛知県豊田市内でキリンカップに向けた練習を行った。
前日の練習を左ひざの負傷で休んだFW本田圭佑はこの日もグラウンドに姿を見せず、ホテルでの調整となった。6月3日のブルガリア戦の出場も微妙で、本田以外の24名が汗を流した。
本田が不在となれば、この男に期待が懸かる。もう一人の日本の看板選手・香川真司である。
「圭佑くんがいないのはチームとしても痛い。ただ違う選手にとってはチャンス。これからW杯予選の長い戦いの中で、けが人は必ず出てくる。選手が入れ替わった中でも、代表は勝っていかないといけない。ブルガリア戦はそれが試される試合になるかもしれない」
香川にとって、ブルガリア戦が行われる豊田スタジアムは代表デビュー(08年5月24日・コートジボワール戦)を飾った場所。当時のコートジボワールの指揮官はヴァイッド・ハリルホジッチ監督という巡り合わせもある。「あまり覚えていないですね。雨が降っていたというぐらいで。でも思い出の場所。今回もここでしっかり試合に勝てるように、最大限の準備をしたい」と意欲を示した。
先日のメンバー発表会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は香川と清武弘嗣のライバル関係に言及。「二人には競ってもらいたい。さらには共存も考えられる」と、ともに大きな期待が寄せられている。
香川もかつてC大阪でプレーした後輩との関係について、こう語る。
「キヨ(清武)とは競争になる。監督も両方を試して、どっちが良いかを見ている。キヨも調子が良いので、お互いに刺激しあっていきたい。もちろんトップ下の位置は一つしかないので、競争に勝ちたい」
さらに共存については、こんな考えを示した。
「そういうバリエーションもチームにはあると思う。どんな状況でできるか。もちろんお互いの良さを出したい。キヨは味方を生かすアシスト能力が高いし、キープ力もある。それはチームの武器にもなる。
本田不在が濃厚となったブルガリア戦。清武との共存の可能性もある中、香川は最後にもう一度チームが求めるべき姿勢を強調した。
「代表も選手層を厚くして、誰が出ても常に高いレベルのプレーをしたい」
この日、キリンカップでの背番号が発表された。日本の10番は、今回も香川。8年前に代表のジャージを初めて着た豊田の地で、いまは堂々とエースナンバーを背負う男が必勝を誓った。(西川 結城)
写真:六川 則夫
(BLOGOLA編集部)
2016/05/31 20:53