甲府のバレー、マルキーニョス・パラナ、マラニョンと通訳の岩崎ブルノは毎日練習後にリフティングをやる。輪になって楽しそうにやった後、練習場に置いてあるヴァンフォーレ応援自販機(飲料の売り上げの一部がクラブに寄付される)に集まる。どうやら負けた人がミスした回数に応じたポイントの本数だけジュースを奢るというシステムらしく、「カチャン、カチャン……ガチャガチャ、ドン、ガチャガチャ、ドン」と硬貨を入れる音と飲料が出てくる音が長々と響く。ただ、いつも買う人はマラニョンで、彼以外の人が買う姿を見ることはほとんどない。
どうやらマラニョンは3人に狙われているようで、19日の練習後の彼らの会話を見た目で翻訳してみると、マラニョンが「俺のスネばっかり狙って低いボール蹴るのはズルイやんけ」的な雰囲気で文句を言っていた。応援自販機は県内各所にあるのだが、個人として一番買っているのは恐らく応援してもらう側のマラニョン。ちょっと気の毒だけど、コミカル。
いっつも負けるので抗議するマラニョンだが、バレーとマルキーニョス・パラナはニヤニヤ笑って面白がる。パラナは勝ちとった飲料を何本も持ち帰り、子供にプレゼントする。そして、パラナの子供はブラジル人が通う学校に持って行って、友達にあげて人気者になっているそうだ。
(甲府担当 マツオジュン)
2015/11/20 20:29