27日の練習後、なにやら企んでいるらしい4つの影がクーラーボックスを取り囲んだ。三平和司は両手にスポンジを、為田大貴は大小2本のブラシを持っている。阪田章裕と伊佐耕平がそれぞれペットボトルを手にすると、息をひそめてタイミングをうかがった。
「今だ!」
合図とともに飛びかかる4人。ターゲットはこの日28歳の誕生日を迎えた洪正樹通訳だ。一昨季までFC KOREAで活躍した元CBもさすがにこの奇襲から逃れることは出来ず、寄ってたかって手荒い祝福に見舞われた。
「学生時代はいつも夏休みで友達のいないさみしい誕生日を送っていました。社会人になって夏休みがなくなったかわりにこうしてみんなに祝ってもらえて本当に幸せです」
解放された後にしみじみと喜びを述べた洪通訳だが、阪田と伊佐が抜け目なく選んだペットボトルはやはり水ではなかったようで、「全身スポーツドリンクの味がする…」と悶えながらシャワールームへと駆け込んだ。
(大分担当 ひぐらしひなつ)
2015/08/28 16:00