「チャンスを漫然と作ってもゴールは生まれないと思うんです」
杉本真はそう話していた。前節(明治安田J2第15節・金沢戦/1△1)の2日前のことだ。
「ゴールを奪う人には強い気持ちもパワーも必要だし、だったら相手より一歩でも速くとか、そういう感覚を研ぎ澄ましていく、その積み重ねのなかでポッとゴールは生まれるもの」
「あとはいかに自分の得意のパターンに持っていけるか。得意ではない形だとなかなか難しいですよ」
それは去年栃木に在籍したJ2通算最多ゴール記録保持者の大久保哲哉(現・横浜FC)も話していたことだ。
「ジャンさん(大久保)はクロスに対して必ず自分の形で待っていたし、だから定期的にゴールが奪えた。僕も勉強になったし、その感覚は今のチームが共有すべきことだと感じているんです」
そう話していた杉本は前節の3分、チームの4試合ぶりとなるゴールを奪った。相手の背後への絶妙なポジション取りから生まれたゴール。杉本の得意の形だった。
(栃木担当 鈴木康浩)
2015/05/28 21:07