完全非公開で行われた天皇杯決勝の前日練習。練習前の円陣で恒例のあいさつを指名されたのが、出場停止から復帰するレアンドロ選手でした。「決勝は負けるためじゃなくて、勝つためにある」。通訳を介してではありますが、ブラジル人らしい勝利への執念を感じさせる力強い言葉が、チームを再び引き締めました。
チームにとっては三度目の天皇杯の栄冠ですが、レアンドロ選手にとってはG大阪のみならず、過去3つのJクラブを含めての初めてのタイトルのチャンス。「僕にとっては日本での初めてのタイトル。モチベーションも高いよ」と、自身初の優勝に意気込んでいます。
そんなブラジル人エースが刺激を受けたのが、自身も熱烈なサポーターである、コリンチャンスのクラブワールドカップの優勝でした。豊田スタジアムでの準決勝のみならず、横浜で愛するクラブの世界一を一人のコリンチアーノとして目撃し、歓喜したレアンドロ選手。「ブラジルから来たコリンチアーノの友人と一緒に見たんだ。僕もインヴァゾン・コリンチアーナ(コリンチアーノの大侵入)の一部になれた。最高にうれしいよね」。
勝つか負けるかの一戦を「Vencer ou vencer(勝つか、勝つか)」と表現するサッカー王国に育ったストライカーにとって、自身初の元日決勝で視界にあるのは栄えあるカップのみです。
(G大阪担当 下薗昌記)
2012/12/31 17:58