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『日本一残酷な、歓喜の一戦』。J1昇格プレーオフを明日・23日(祝・金)に控えた22日(木)、JFAハウスで千葉の木山隆之監督、佐藤勇人選手、大分の田坂和昭監督、森島康仁選手が参加しての前日公式記者会見が行われました。大分は午前中にトレーニングを行っての移動ということで時間が遅れてしまい、共同で行われるはずだった会見は個別に行われる形式へと変更されました。ここでは会見の内容をご紹介したいと思います。
【J1昇格プレーオフ決勝前日会見】
大東 和美チェアマン
「ご存知のように今季からJ1昇格プレーオフを導入いたしました。本来の目的はJ2の活性化でしたが、多くのサポーターの方々に興味を持っていただきました。先日の京都での試合、ニッパ球での試合、ともに大いに盛り上がりました。みなさん、関心が高かったのではないでしょうか。結果的には3位、4位のチームが敗れて5位、6位のチームが決勝に進出することになりました。明日は聖地・国立でJ1への最後のイスを争うことになりましたが、お天気のほうも午後には少し雨も上がって大丈夫じゃないかなと思いますし、チケットも2万5千枚以上売れているようですので何としても多くの方に見ていただきたいなと思っております。また、地上波のほうでも放送していただけるようなので全国で楽しみにしている方も多いんじゃないかなと思います。レギュラーシーズンでは残り3節の時点では10位くらいまでがプレーオフに進出できる6位に入る可能性があり、また最終節でも順位の入れ替わりがありましたが、結果的には京都、横浜FC、千葉、大分がプレーオフに進出しました。ご存知のように大分はいろいろなお金の問題もございましたが、それを予定どおり返済されて“心機一転”で頑張っているんじゃないかなと思います。思い出せば千葉も大分も同じ時期、3年前にJ2へ降格しました。ですから4年ぶりに千葉、大分のいずれかがJ1に戻ってくることになります」
――レギュレーションにはアドバンテージを付けましたが、準決勝は結果的にそのアドバンテージが生かされない形になりました。レギュレーションのついては変更する考えはありますか?
「明日の試合が終わってからですね。いろいろな意見を聞いてまた考えるかもしれませんが、上位チームは引き分けでもいいという制度に関しては上位チームにプレッシャーがかかるのか分かりませんが、結果的に2試合とも4-0という形になりました。これはしかし、どちらが先制点を取るかというところが関わってきたと思います。個人的な見方としてはそういうアドバンテージがあってもいいかなとは思います。明日終わってから検討します」
――決勝は中立開催ということですが、今回の大分のように九州のチームは国立開催だと移動の負担もあります。来年以降、開催地の変更への考えはありますか?
「決勝はイングランドもそうですが、聖地で開催されます。日本で言えば国立での開催は続けていきたいなと思っています。今年は結果的に九州のチームにはなりましたが、どこがどうなるかは予想できない部分もありましたから、今後も国立でやりたいなと思っております」
【千葉側会見】
■木山 隆之監督
「秘策は特にありません(笑)。チームの状態も非常に良いですし、いま持っているジェフの力をすべて出し尽くして良い形でシーズンを終わりたいですね。とにかくクラブにとっても応援してくれるファンの方たちにとっても、J2での3年間はJ1に対する思いを持って過ごしてきたシーズンだったと思います。今年もここに来るまで苦しい時期もたくさんありましたし、プレーオフに回ることになりましたが、しっかりと最後、クラブ全体、ファンの方たちと一つになって必ずJ1に戻る切符を明日、つかみ取りたいですね」
■佐藤 勇人選手
「本当にいま、早く試合がしたいという思いでいます。それだけいま、自分たちには自信がありますし、必ず、明日勝って昇格を決められると思っているので早く試合がしたい。本当にいまはそれだけです」
【千葉側・質疑応答】
――大分に対する印象は
■木山監督
「田坂監督が2年間、気持ちを込めて作り上げてきたチームだと思います。スタイルもハッキリしていますし、その中で前線に点を取れるタレントがいます。そこをしっかり自分たちはコントロールしながら、しっかりとパスを回して、相手に厳しくプレッシャーをかけていくジェフのスタイルを明日出せればいいし、それが一番勝利に近付く道だと思います。相手を気にすることよりも、しっかりと自分たちのサッカーを出し切ること。最低限、相手のストロングポイントはケアすることになりますが、自分たちのサッカーを出し切ることのほうが大切かなといまは思っています」
――チームの状態がすごく良いとおっしゃいましたが、シーズン終盤に連勝していることもあると思います。リーグ戦で上位だったチームにアドバンテージを持たれている状態で勝ったことの自信も影響しているのでしょうか?
■木山監督
「もちろんまったく影響がないわけではないと思いますが、とにかくシーズンを通してというかスタートした時点でこれだけの選手がいるチームですし、当然優勝すること、そして自動昇格すること、そこを一番大事に戦ってきましたが、なかなか難しい時期もあって、勝ち点が伸びない時期もあった。結果的にプレーオフに回りましたが、瞬間だけの調子の良さということよりも、しっかり今年、自分たちがどういうチームになっていきたいのか、どういうチームになってJ1に上がりたいのかということを積み重ねてきたことが少しずつ終盤になってできるようになり、それが結果に結び付くようになりました。その自信のほうがおそらく大きいと思います。それは私自身もそうですし、選手もきっとそう感じているでしょう」
――千葉はすぐにJ1に戻るだろうと見られていた中で3年かかりました。いまの心境は?
■佐藤 勇人選手
「いまの心境はこれだけ多くの人が関わっているクラブですし、サポートしてくれているクラブでもあります。それがすぐにJ1に戻ることができなくてそれは自分にとって自分自身の力不足だとも思いましたし、どうにか昇格したいという思いでここ2年を過ごしてきましたが、それがかなわずに今年もシーズン序盤、苦しい時期もありました。ただ、いま、それを乗り越えてこの場に立てているので明日は今までの悔しさやいろいろな思いを90分にぶつけたいですね」
――引き分けでも昇格できるアドバンテージがありますが、カギになるプレーは? また、田坂監督とは同級生になりますが、そのあたりは意識していますか?
■木山監督
「最初の質問に関してですが、間違いなくカギになるのは自分たちのスタンスだと思います。引き分けでもOKというアドバンテージがアドバンテージにならないということは準決勝で証明されています。自分たちは決して受け身になるつもりはないですし、先ほども言いましたが、勝ってJ1に上がる。そういう思いを持ってチームがしっかり戦えればそれが一番のポイントだと思います。その中で先制点を取ることがわれわれにとって望むべき形ですし、そういう形に持っていければ自分たちは勝ちに近付いていけると思います。田坂監督については高校生のときからお互いに知っている仲ですし、多分、私のほうが1年か2年、引退するのが早く、指導者になったのが少し早かったかもしれません。しかし、ある程度、同じような時間を指導者として過ごしてきた人間だと思います。田坂監督は本当にマジメで誠実な方ですし、そういう彼とこういう場所でJ1を懸けて戦えるというのは一つ幸せなことだと思います。彼も勝ちたいと思っているでしょうし、私自身も勝ちたいと思っていますのでお互い、悔いの残らないようにやれればいいかなと」
――相手のストロングポイントを出させないことと木山監督はおっしゃいましたが、大分のストロングポイントとキープレーヤーは?
■木山監督
「先ほど、大分はしっかりしたスタイルがあるチームだと話をしましたが、ワイドに攻撃的な選手を置いて前線に力強さとスピードのある、威力のあるFWがいる。そこをスロトングポイントとして攻めてくるチームです。あとは前線の守備。そこからチャンスを作ってきます。だからといってわれわれは簡単にボールを自分たちの足元から離すようなサッカーをするつもりはありませんし、相手を動かせるようなボールの持ち方をしっかりとしてゲームをコントロールした中でゴールを奪いにいく。そういうことを目指してやりたいと思います」
■佐藤 勇人選手
「大分の印象はアグレッシブに戦ってくる、そういう気持ちを持って来るチームだと思うし、大分もいま、勢いのあるチームだと思います。準決勝では京都に4点を取って勝っている。4点とも今日、隣にいるはずの森島選手が決めましたが、彼自身も勢いに乗っているだろうし、彼自身に注目も集まっていると思うので彼に良いパスを出させないように守備をしていきたい。ただ、自分たちがやるべきサッカーをすれば彼に良いボールが入るということは少なくなると思いますし、明日はそういうサッカーをしたい」
――森島選手にはフクアリでの対戦でやられていますが、その試合を振り返ってどこが課題だったのでしょうか?
■木山監督
「まずはあのゲームを振り返ったときに前半に先制してものすごく良いゲームができて、非の打ちどころのない内容の出来でした。しかし、後半の立ち上がりに少し気の緩みがあって相手のディフェンスラインに少しプレッシャーをかけるのが遅くなってサイドにボールを展開され、そこで1本森島選手にクサビのパスを通された。その後は森島選手に対するわれわれのマークも甘かったですが、振り向きざまにバツンと決められたゴールだったと思います。そこの集中力と最後のところでタイトに彼に付いていくという部分は課題でした。2点目はサイドで木島(悠)選手のドリブルでかなり長い距離ボールを運ばれて最終的にクロスが入ってきた。中の二人が少し自分たちでぶつかるような形になってイージーな対応になってしまった。それもある意味、集中力の問題だったと思いますので、そこをしっかり集中すればいいんじゃないかなと。そういうふうに思います」
■佐藤 勇人選手
「木山監督がおっしゃったように、あの試合の前半はパーフェクトに近い前半でしたし、前半でゲームを決められるくらいの試合展開でしたが、後半に自分たちの甘さが出てしまい、そこを突かれての逆転負けだったので、そういう意味でも大分は最後まであきらめないチームだと思います。明日は90分間、スキを作らないサッカーをしたいと思います」
――佐藤勇人選手は千葉のシンボル的な存在だと思いますがこの3年間、なかなか日の当たらない場所でプレーしてきた一方、弟の寿人選手がJ1で優勝、そして得点王を懸けて戦っています。そこに対する思いがあれば教えてください。
■佐藤 勇人選手
「まずは寿人のことは必ず聞かれると思っていたのである程度、準備はしてきました。おっしゃられたように広島がいま、優勝争いをしていて彼自身が得点王になりかけている。自分自身はなかなか日の当たらないところにいたわけですが、ただ、そこが重要ではなくて自分がジェフを好きだということのほうが重要なんです。そういう意味でも明日はしっかりとこの好きなクラブ、ジェフをJ1に上げて、それを寿人に良い報告をして広島には優勝をしてもらえれば僕たちにとってベストかなと思います」
【大分側・記者会見】
■田坂監督
「皆さん、こんばんは。まずは遅れまして申し訳ございませんでした。森島がどうしても『お腹が空いた、お腹が空いた』と言うので食糧を与えていました。この大会がJリーグにとって初めての試みですし、もちろん、われわれも初めて参加させてもらって年間順位が6位という一番下の順位からギリギリ参加することができたのですが、何とか準決勝を勝ち上がることができて明日の決勝戦に臨むことができます。われわれにとっては明日の試合が今季最後の公式戦になります。選手たちに話をしていることが、このチームにとって最後の試合になるし、最後の一戦というのが非常に大きなウェイトを占めると。もちろん、決勝という名は付いていますが、勝てばJ1に昇格できます。J2の6位というところから昇格できるというメリットがありますが、負ければただの6位だと。そういう話は選手たちにしています。先ほども言いましたが、この一戦がチームにとっても大分県のサポーターの皆さんにとっても大きな一戦になりますので、何としても自分たちのいま持っている力を結集させて千葉を倒したいなと思います」
■森島 康仁選手
「こんばんは。遅れて申し訳ございません。まず明日に向けて良い準備ができましたし、僕たちは失うモノがありません。いま、監督が話したように勝たないと何も残らない。勝てば自分たちの人生も変わると思うし、大分トリニータとしても今までの支援金の意味が出てくると思うので、大分県民のために僕自身は頑張りたいと思うし、大分トリニータを支えてくれる人たちのために頑張りたい。何を言っているか分からないですが、しっかり頑張りたいと思います」
――千葉の印象は?
■田坂監督
「リーグ戦では2回戦って1勝1敗ですが、ジェフの印象と言えば、個々の能力は高いですし、攻守においてバランスが取れている。ディフェンスラインで言えば竹内(彬)、山口智を中心にラインコントロールもしっかりしていますし、ダブルボランチを形成している二人の佐藤がチームの核を担っているなという印象です。そして、終盤になってチームの飛躍を担ったのがやはり藤田(祥史)や兵働(昭弘)であったことを考えても、ジェフはタレントがそろっているチームだなと。サブのメンバーを見ても個性のある選手が多いですし、相手にとって不足はありません。やはり実力のあるチームだなという印象です。ただ、選手たちにも言っていますが、サッカーは何が起こるか分からない。準決勝の京都戦の前にも言ったのですが、『うまいチームが勝つんじゃない。強いチームが勝つんだ』と。われわれはもちろん、今シーズン、そういう技術もそうですし、戦術もそう。コンディション面もフィジカル面も鍛えてきましたが、やはりわれわれがここまで来たのも強い気持ちがあって勝てた部分も大きい。明日の試合はもちろんリーグ戦とは違います。一発勝負です。レギュレーションから言ってもわれわれは勝たないといけない。点を取らないといけないというところから千葉の攻略法も選手に話をしていますし、何とかウチらしい、トリニータらしいサッカーを展開してバランスの取れた千葉を倒したいなと思っています」
――明日の決戦が巌流島なら遅れてきた大分が宮本武蔵だと思いますが、カギとなるプレーは何だと思いますか?
■田坂監督
「先ほども言いましたが、一発勝負とはいえ、本来のカップ戦とは違うと思います。引き分けであれば延長戦がありますが、その延長戦もないですし、点を取らなければウチは勝つ可能性、見込みはありません。時間の経過とともに流れを見ながら、しっかり戦略は考えていかないといけないというか、変えていかないといけないという準備しています。そういうところをしっかりと試合を見ながら状況を変えていかなければいけないというところがポイントになるんじゃないかなと。お互いにサイド攻撃がウリだと思いますが、それが試合に出るかと言ったら試合をやってみないと分からない。でも、どうしてもこの試合に懸ける思いが強いぶん、(お互いのウリを)消し合ってしまうんじゃないか。試合の状況を見ながらどこのポイントが攻略できるのか、逆にどこのポイントを突いていけばいいのかを踏まえての選手交代もあるでしょうし、やり方の変更もあるでしょう。しっかりと状況を見極めていきたいなと思います」
――準決勝の前に監督は秘策という話をされていて、まさか森島選手が直接FKを蹴るとは思っていなかったのですが、決勝に向けて何か考えていることは?
■田坂監督
「まず、考えていることはあります。ただ、それをいまは言えないですけど。準決勝の前もですね。終わったときの会見でも言いましたが、森島をキッカーにしたのはリーグ戦でも使わずに取っておきました。もちろん自動昇格は狙っていましたが、プレーオフになったときは一発勝負というかリーグ戦とは違うので一つ、二つ、三つくらい策を持っておかないといけない。アイテムというか森島をわざとキッカーにしました。昨年も湘南戦で彼をキッカーにしたんですよ。それでそのときはうまくいかなかった。なぜ彼をキッカーにしたかというと中で点を取れないからです。自分が率いて2年、CKから点を取ったのは1点だけです。そういうところを踏まえて逆に彼のキックはチームで一番精度が高い。やはり、スピードやコントロールなどの精度が高いので、彼に話をしたのがドログバでもCKを蹴るぞと。もちろん、中で合わせる可能性も高いかもしれないけど、ああいう選手でもキッカーになると。だから蹴ってみろという話をしました。まあ昨年は失敗に終わりましたが。ただ、前回の試合はうまくFKから点を取りました。案の定、CKは失敗しましたが。その作戦が一つ成功したというところで4得点というのは出来過ぎかもしれないですが彼自身、リーグ戦の終盤に来て自分のやるべき仕事、チームのためにやらないといけない仕事を明確に表現できていますので、そういう意味では4点を取ってもおかしくないですし、逆にもっと取れてもおかしくないという活躍をしてくれたので明日も期待したいですね」
――千葉の藤田選手が準決勝で2点を取ったのに、森島選手が4点取って目立たなくなったので決勝では頑張りたいと話していたのですが、そういう“煽りの言葉”を聞いての心境は?
■森島 康仁選手
「どうでもいいですね。数字はどうでもいいし、勝てばいいので。藤田選手はFWとしてすごい選手だと思いますが、僕たちの目標は“対藤田選手”ではないので。“対千葉”なので。別にそこは意識していない。目立つことは昔いっぱいしたので、とにかくチームが勝つことを考えたいし、考えています。監督が来てからずっとそう思っています」
――昇格プレーオフという制度ができてリーグ戦では6位でありながら昇格の可能性を持って戦えること、制度について思われることは? 千葉の会見で明日、森島選手に良いボールが入ることはない、入れさせないと千葉側はおっしゃっていましたがいかがでしょうか?
■田坂監督
「プレーオフを今季から導入したということでわれわれ指導者としても、選手としても、まんまとJリーグの策にハマったなと。非常にモチベーション高く最後までやることができましたし、もちろん観客動員も終盤になって増えたということもJ2にとっては非常に良い制度だと思います。やはり3位のチームには申し訳ないですが、6位のチームが出てそういう可能性があるということも今後、J2の活性化につながるでしょうし、気持ちの部分でも良い効果をもたらしているんじゃないかなと。非常にプレーオフ制度というものはやりがいがありますね。もちろん、その中でもクラブライセンス制度などの問題も多々出てきますけが、われわれは特に今シーズン、大分県民のサポーターや行政の方、経済界の方などの支援をいただいてこういう場に立てています。私が感じたのは大分に来てチームと、また街と全体が一つになれた感じがあったんですよね。プレーオフ制度のおかげで一つ絆ができたんじゃないかなということはありがたく思っていますし、スポーツを通じて、県民の方にトリニータへの関心を持っていただけたことは大きかったですし、われわれにとっては良かったんじゃないかなと思います」
■森島 康仁選手
「変に前の試合で4得点しましたが、(千葉は)僕だけを消してくるようなチームじゃないと思っていますし、千葉はすごく強いチームです。逆に今週の取材でも言ってるのですが“対森島”になってくれれば違う選手が空くので、その選手がFKから点を取ってくれたら、フリーで打ってくれればチャンスも広がるので…」
■田坂監督
「あんまり、作戦をしゃべるなよ」
■森島康仁選手
「前の試合でもFKで決めていますが、考え方を変えればいいだけなので。そこでイライラせずに一発で狙えるチャンスが出てくると思うし、PKもそう。千葉が“対森島”になってくれれば逆にラッキーですけど、そういうチームじゃないと思っています。しっかり、僕は頑張りたいですが、いま口では何とでも言えると思うし、楽しみな試合ですが、やってみないと分かりませんが、多分、良いパスは来ると思います」
――何度も聞かれたかと思いますが、大分にとっては国立での試合は、2008年のナビスコカップでの優勝以来となります。その気持ちは?
■森島 康仁選手
「2008年のナビスコカップ優勝から大分トリニータは一度上がって、ドン底まで落ちましたが、そこまでいろいろなことがありましたし、自分としても不遇な時間のほうが長かったので、明日の試合は思い入れのある試合でもあります。でも先ほども言いましたが大分県民のために頑張りたいと思いますし、僕は向こうのチームよりも背負っているモノが違うので、明日勝つためにしっかり練習もしてきた。今年最初にチームがスタートして僕たちは成長していると思うし、そこを明日出せるという確信がみんな持っていると思う。それは僕だけではなくてみんなが思っていると思うので、良い試合をしたいし、勝たないといけない。勝ってあのときのナビスコカップのようだったと言えるようにしたい」
――2年前、前年15位のチームを率いて初めての監督業に挑戦し、いまこの場にいられることの感想は?
■田坂監督
「先ほども言ったように、プレーオフ制度でありがたく盛り上げてくれていますが、何と言ってもわれわれはJ2の6位です。勝って会見するのならば分かるのですが、そんなチームがこんな皆さんの前で会見をするのもどうなんだと思います。カップ戦の決勝であればこういう会見もありますが、カップ戦の決勝でもないですし。でも、勝つことによってメリットはあるので選手にはもちろんそういう話もしました。私が監督業を始めて、トリニータに来て、この場に立てるというのも選手と日々顔を合わせてきて自分自身も選手に成長させてもらいました。何度も言いましたが、大分に来て初めて、大分はサッカーが熱いなということも感じられましたし、自分自身、この監督業を始めさせてもらったトリニータに対して、何とか成果を出したいという思いで日々を過ごしていました。こういうところまで来たので、トリニータに来てまだ2年も経っていないですが、明日の試合ですべての力を出して良い結果を残し、何とか恩返しをしたいなという気持ちが今の率直な思いです」
前日記者会見でしたが、大分のメディアの方々も大勢いらしていて、緊張感の高まる雰囲気でした。ある記者の方が遅れてきた大分側を“巌流島決戦”になぞらえたのが印象的ですね。J1最後のイスはどちらが奪い取るのか――。注目の一戦は23日、東京・国立競技場で13時キックオフです。
それでは。
(千葉担当 杉山文宣)
2012/11/22 23:06