クラブハウスから出てきた選手が続々と、徳島戦に向かうチームバスに乗り込んで行く。そんな見慣れた光景に、思わず「あっ」と声が出そうになった。やや照れ臭げに出てきたのは、昨年10月に負った右ひざ前十字じん帯の損傷で今季は公式戦のピッチから遠ざかっていた佐藤晃大だった。
「昨日、マネージャーに聞かされて、自分でも予想外だったのでビックリしました」。どんなときでも、朴訥とした話ぶりが特徴の背番号20だが、古巣徳島戦での予期せぬメンバー入りとあって、さすがに顔にうれしさがにじみ出ていた。
8月末に関西大との練習試合で10カ月ぶりの実戦復帰を果たしたものの、コンディションは必ずしも100%に戻り切っていない。
ただ、古巣との一戦に焦点を合わせながら懸命に調整してきたその姿を、常に見てきたのが長谷川健太監督だ。26日の練習後には「もう大丈夫だろ。期待してるから」と直接、激励。佐藤自身も「とにかく監督の期待に応えるプレーをしたい」と意気に感じている。
「徳島を離れたときよりも、僕が成長した姿を見せたい」。長く、そして辛いリハビリを乗り越えた男が、ついにピッチに帰って来る。
G大阪の選手名鑑(クラブ公式サイト)
(G大阪担当 下薗昌記)
2013/10/26 18:19