[大宮]天皇杯2回戦・秋田戦もう一つのプレビュー。“秋田”に縁の深い2トップ「思い切りやるしかない」（チョ選手）

　大宮アルディージャは9日（日）13時から、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にて天皇杯2回戦・ブラウブリッツ秋田（JFL）戦を戦います。マッチプレビューは現在発売中の『EL GOLAZO』（エルゴラ）をご覧いただくとして、今回のブロゴラでは別の視点からプレビューをお伝えします。まずは7日の練習後に実施されたベルデニック監督の囲み取材でのコメントを紹介します。【写真／徳丸篤史】

■ベルデニック監督コメント
――対戦相手となる秋田の印象は？
「対戦相手については天皇杯初戦（対平成国際大戦）にスカウティング部隊を派遣した。映像は撮っていないが、スカウティング部隊が相手の分析をしっかりとしている。秋田は組織的に戦ってくるし、戦術的なコンセプトもしっかりしている。ボール保持から相手の裏を狙う形や、クロスボールから得点を奪おうという姿勢もうかがえる。前からプレスをかける形と後ろに引いて守ってくる形の二つを使い分けている。われわれとしては相手を尊重して真摯に戦わないといけない」

――天皇杯という大会自体の位置付けは？
「まずわれわれはプロフェッショナルとしてどんなゲームでも100%でプレーしなければいけない。間違いなく相手は高いモチベーションで臨んでくる。世界中どこでも3部のチームが1部のチームを倒すことはある。相手を過小評価して臨むとそれは起きるし、そういう事態を起こしてはいけない。私は秋田戦を二つの視点から捉えている。しっかりと戦って初戦の相手を倒すこと。そしてリーグ戦の次節・鳥栖戦（熊谷）に向けての準備として試合を捉えないといけない」

――ナビスコカップは敗退し、Jリーグも優勝が難しい中、残るタイトルは天皇杯となっていますが、その天皇杯で狙うのは頂点ということでよろしいでしょうか？
「今の質問ではあなたがレアル・マドリー（スペイン）の監督に対して聞くような質問かなと思いますよ（笑）。Jリーグのチャンピオンを狙うチームに対して、天皇杯も落とせませんね？と聞いているように私は捉えました。天皇杯でチャンスがある限り、最後まで目指すことは当然だが、当面の課題はJ1に残留することだ」

――下部のカテゴリーのチームと対戦するにあたっての心構えは？
「われわれがやらなければならないことはクオリティーが高いことを見せ続けること。継続的にボールを支配すること。また仮にそうなった場合はその差を見せ続ける必要がある。ポゼッションしながら相手のマークミスが起こるまでボールを持ち続け、ミスをしたとしたらそれを利用しサイドから中央から得点を挙げないといけない。相手は恐らく引いてカウンターをしかけてくることが考えられるが、攻める中でもカウンターを受けない形を作ることで相手のシュートの機会を減らさなければならない」

　7日の練習を見る限り、2トップの先発には長谷川悠選手とチョ・ヨンチョル選手の起用が濃厚。なんと二人は“秋田”に縁があるというのです。
　まず長谷川選手は今年の対戦で3年連続秋田との対戦になるようです。そして、2011年度の大会ではゴールも決めています。秋田の印象については「秋田は松田正俊選手を中心に、ロングボールを使ってそこで起点を作ってくるので警戒したほうがいい。自分たちのペースで試合をできるような展開に持っていくことがベストだし、受け身に立たずに自分たちのサッカーをやりたい」とコメント。また、「いい準備をして勝ってリーグ戦につなげていかないといけない」と試合に向けての決意を語っています。
　一方、長谷川選手の相棒が有力なチョ・ヨンチョル選手は、横浜FC在籍当時、『2007 横浜FC 秋田・にかほ市サマーキャンプ』に参加。遠征期間中には練習試合でゴールを決め、秋田の前身であるTDKとも試合をしています。また、チョ選手は「その秋田遠征が日本を深く知るきっかけになった」と言います。
「当時は日本に来てだいたい2カ月経ったぐらいで、中断期間中に秋田で強化キャンプを行った。プロ入り後初のキャンプだったので、自分自身気合も入っていて、結果を残すこともできた。秋田には良い思い出が残っている。それと、日本食で納豆は食べられなかったんだけど、秋田の納豆がおいしくて、それから納豆を食べられるようになった」。いまでは納豆に、キムチ、ねぎ、昆布、海苔など、さまざまな“トッピング”をして納豆を食しているチョ選手ですが、中でも“昆布納豆”が大のお気に入りで、納豆ご飯の上にふりかけをかけて食べるパターンもオススメだとか。さらに秋田ではお風呂にまつわる文化に“カルチャーショック”を感じたようですが、この話はまた改めて。
　最後に2日の練習試合・東洋大戦で2得点を決め、天皇杯でもゴールを狙うチョ選手は次のように意気込みを話してくれました。
「思い切りやるしかないし、後悔しないような結果を残したい。前線の選手がしっかりとチャンスで決めるとラクに試合を進められる。天皇杯でゴールを決めてリーグ戦へのいい流れを作りたい。個人的には点を決めたいし、アグレッシブにプレーしたい」