日本中が注目したW杯アジア最終予選、日本対豪州。京都の若手選手たちも寮住まいのメンバーで集まってテレビ観戦し、終盤に訪れたPKの場面に興奮した。
そんななか、一人だけ浮かない顔の選手がいた。「“やっちまった!”と思いました」と両手で顔を覆ったのは高橋祐治。昨年9月から約4カ月、豪州はAリーグのブリスベン・ロアーに期限付き移籍しており、そのときにハンドでPKを与えたマット・マッケイと親交を深めていたのだ。
マッケイは17歳から地元のブリスベン・ロアーでプレーしており、韓国から中国のクラブへ移籍する間のオフ期間を古巣でトレーニングしていた。「めっちゃ、いいやつなんですよ。豪州でも、アイツだけは応援していました」と胸の内を明かしており、ハンドの後で“俺はやってない!”と審判に詰め寄らずに頭を抱えていたことについても「アイツらしいですね」と彼の人柄を表す場面だったという。
高橋にとってはなんとも複雑な結末となったが「やっぱり代表っていいですね」と、かつて年代別代表に名を連ねたDFは青いユニフォームへの思いを新たにした様子だった。
(京都担当 雨堤俊祐)
2013/06/08 10:57