試合の選手入場時、菅選手は必ずあるポーズを取って入場します。それは胸に手を押し当て、覚悟を決めたかのような険しい表情でピッチへと歩みを進めると、必ず芝を触ってからピッチに入るというもの。常に“戦う姿勢”を見せてくれる菅選手のこのポーズ。今節・水戸との北関東ダービーについて取材していると、「ダービーを意識していないわけじゃないし、意識し過ぎることもないと思うけど、1試合1試合に懸ける気持ちはどの試合もすべて同じ。強い気持ちを持って、いつもと同じことをやる。そしたら勝てるし、勝てばダービーも一層盛り上がるから、今まで連勝中にできていることをやりたいと思う」という力強い言葉が返ってきたので、「あれも自分自身の強い気持ちを奮い立たせるという意識付けなのでしょうか?」と、ふと聞いてみました。
「そうですね。やっぱり、チームあっての自分なので。そういう強い気持ちを持つためにも、チームの象徴を触っていますね。エンブレムはチームの象徴だと思っているのと、そこには心臓もある。心臓を触ることで、メンタル面でも落ち着くことができる。心臓をたたくだけでもリラックスできるというのは誰かが言っていましたし、あこがれのゴンさん(中山雅史選手)もやっている。いろんな意味を込めて、岐阜時代からずっとやっていますね」
しかし、ひとしきりその理由を話したあと、急に「よく見てますね?(笑) 恥ずかしいからあんまり見ないでくださいよ(笑)」ともぽつり。「いやいや、あれは菅選手だからこそ様になっているのですよ!」と切り返すと、「まあでも、ルーティンですよね。毎試合やることで、落ち着いてゲームにも入れるので。ただ、あのあと芝を触るんですけど、芝を触ったあとが十字を切っているように見えたらしくて、一回キリスト教と間違えられました(笑) 芝は今も触っているんですけど、十字は切ってないです(笑)」と、まさかの誤解を招いた失敗談にスイッチ。最終的には「特に深い意味はないんですけどね。でも、ホント昔からずっとやってますね。この前の試合(東日本大震災復興支援スペシャルマッチ)でもゴンさんはやってましたし、エンブレム(という意味)が強いですね」とやや謙遜気味でしたが、かの中山選手にあこがれていたとは。個人的にはなんとも似た部分を感じ、深く深く納得できる理由でした。
選手入場の際は、そんな菅選手のポーズに注目してみてはどうでしょうか。キリスト教ではありませんよ!
(栃木担当 村本裕太)
2012/07/25 21:08