5度目の正直なるかーー。
浦和レッズレディースは22日、皇后杯準決勝に臨む。相手はINAC神戸レオネッサ。15時キックオフのこの試合は、白熱すること請け合いだろう。
森栄次監督が今季から就任し、昨季4位だったチームをリーグ戦2位まで押し上げた。「やり方を変えた今年はチャレンジだった」。指揮官がそう語るように、主体的なパスサッカーのスタイルを築き、優勝した日テレ・ベレーザとは勝点3差と最後まで優勝争いを演じた。
またカップ戦も準決勝で敗退、残るタイトルとなる皇后杯に懸けている。
E-1選手権でMVPに輝いたなでしこジャパンの南萌華など、選手の能力も伸びている。森監督も「やらされるということではなく、自分で考えて発信する雰囲気があるし、それぞれが課題をもってやれている」と選手たちの奮闘に目を細める。
「チームに自信をもたせる意味でも、ここで(タイトルを)獲りたい。レッズランドの被災があった中で、また2位、3位、4位で終わるのとは違い、優勝すればレッズの雰囲気も変わると思う。明るい話題を提供したい」(森監督)
台風19号の被害によって練習場となる施設が被災。1600トンとも言われる土砂がグラウンドを覆い、レディースもアカデミーもグラウンドを使用できなくなってしまった。宇賀神友弥が発起人となりユース出身者が協力して復旧に向けたクラウドファンディングを実施しているが、現在も練習場を転々と移して調整している現状がある。
また、準決勝の相手がINAC神戸というのも力が入る。今季、リーグ戦とカップ戦で4戦4敗。INAC神戸に勝っていればリーグ戦でも優勝していたかもしれない。19日の練習では、なでしこジャパンの選手も紅白戦のメンバーに入り、試合に向けて調整を続ける。ここでINAC神戸の壁を打ち破りたい。
BS1でのライブ中継もあるが、NACK5スタジアム大宮で行われる準決勝は入場無料。浦和戦のあとには準決勝のもう1試合、18時からは日テレ・ベレーザとちふれASエルフェン埼玉との試合もある。皇后杯のタイトルを目指す戦いは見逃せない。
(浦和担当 田中直希)
2019/12/20 16:02