16日、鳥栖が練習を行っている北部グラウンドに隣接する鳥栖市立弥生が丘小学校を訪問。約900名の全校児童や教職員から手厚い歓迎を受け、児童らからの質問に答えたり、サッカーを通じて触れ合うなど交流した。
フェルナンド・トーレスも積極的に交流した。「できないことをどうやって乗り越えましたか?」という男子生徒からの質問には「人生の中で必ず、問題や難しいことに直面します。例えば、多くの人たちは問題が起きた時に『問題が起きてしまった、どうしよう?どうしたらいいんだ?』と考えます。そうではなく、私は問題が起きた時に『どうすれば解決できるんだろう?』と解決方法を常に探してきました。自分で直面した問題を大きくするのではなく、常にどうすれば解決できるかを考えてください。時には一人で問題を解決できないことがあります。だからこそ、家族や友だちなど自分を助けてくれる人を周りに多く作り、その中で問題を解決しようとすれば、みんなが助けてくれます」と自身の経験を踏まえて、子供たちに優しく語りかけていた。
また、児童たちだけでなく教職員に向けてもメッセージを送った。「ある心理学の先生は3つのことが重要だと言いました。1つ目はルールが必要。そのルールの下で物事を動かしていく。そして、2つ目がコミュニケーションです。そのルールを理解させるためのコミュニケーションが必要です。そして3つ目が愛情を持って接することです。それを私は伝えてほしいと思います」と教育する側の立場にも思いを寄せていた。
練習場に隣接していることもあり、昼休みと選手の帰宅時間が重なると児童たちが選手のチャントを歌ったり、帰宅の際、練習場の入り口から出るところに見えるように手作りの横断幕を掲示するなど、鳥栖と弥生が丘小学校の関係性は深い。この日も児童らは様々な横断幕を作り、トーレスを歓迎した。「みんながたくさん協力して努力して作っていったというのがあるので、それを見れたことが重要ですし、その横断幕を朝見る度に彼らの努力を思い出すでしょう。重要なことはそういったことを知って、彼らの思いを受け止めること」とトーレスの心にも深く刻まれたようだ。時間にして約一時間ほどだったが、児童にとってもトーレスにとっても濃密な時間になったことは間違いないようだ。
写真:杉山文宣
(鳥栖担当 杉山文宣)
2019/07/17 14:23