東京Vのロティーナ監督が17日に迎える明治安田J2最終節、町田との『東京クラシック』を前に試合の展望を語った。
町田との前回対戦、東京Vはホームで1−4と大敗している。しかし今季、東京Vは前半戦の21試合で5回の敗戦を喫したが、後半戦はここまで4回その相手にいずれも勝ってきた。「勝ち試合からも負け試合からも常に学ぼうとしているが、やはり負け試合から学ぶことのほうが多い」とロティーナ師。「運で勝ったような試合よりは、負けた試合のほうが分析に力が入る」といい、それが結果にも表れているのだろう。
東京Vはロティーナ師の指導の元、グアルディオラ監督のバルセロナやマンチェスター・シティに象徴される『ポジショナル・プレー』で戦っているが、一方の町田はクロップ監督のドルトムントやリバプールに象徴される『ストーミング』の権化のようなチームだ。日ごろは対戦相手について語ることを極端なまでに好まない指揮官だが、「町田はわれわれよりもプレッシングを強くかけ、縦に速いチーム」と評したのは、そのスタイルへの警戒、あるいはリスペクトかもしれない。
マンチェスター・シティとリバプールの今季の対戦を見ると、UEFAチャンピオンズリーグやインターナショナルチャンピオンズカップを含めリバプールが4勝1分と圧倒しているが、「勝敗を分けているのはスタイルの違いだけではない」とロティーナ師は見ている。「たくさんのシステムがあり、たくさんのプレーのやり方がある。常に同じシステムのチーム、やり方のチームが勝つわけではない。それがサッカーの面白いところで、どのやり方も正解はない」という。それよりも師が大事にしているのは「選手の状態」であり、「それ(システムややり方)を良いものにするのも、良くないものにするのも選手たちです」と結んだ。
町田と運命の『東京クラシック』を迎える選手たちの状態について聞かれた指揮官は、「良い状態にあり、勝ちに行く意欲であふれている」と目を細めた。「良いトレーニングができている」というのは、町田のストーミング攻略法をしっかり落とし込めている自信の表れだろうか。そう問いかけてみたところ、「頭の中では毎試合勝ってますよ(笑)」とユーモアたっぷりに切り返す。「でも実際には頭の中で起こらないことが起こったりするものでね。ただ、サポーターの皆さんに勝利をプレゼントするための準備はできています」と力強く語った。
(東京V担当 芥川和久)
2018/11/16 21:53