試合後記者会見での冒頭の「2つあります」から始まり、「止める・蹴る」「目をそろえる」など、独特な表現方法を駆使しつつ指揮を執る風間八宏監督。その風間ワードの中でここにきてトレンド入りをしそうなのが「注意力」だ。
用法は次の通り。
「90分間の闘いの中で『注意力』を持って戦えるかどうか」
「今日(選手に)言ったのは『注意力』です。これを90分間持てる選手はいい選手です」
「ゴールを消すことも含めて『注意力の欠如』が試合を分ける」(いずれも11/4試合前々日会見から)と、「注意力」というフレーズが何度も飛び出した。
デジタル大辞泉で検索すると、注意力とは「ある一つの事柄に気持ちを集中させる能力」とある。平たく言えば「集中力」と考えれば理解しやすく、聞き心地がいいのかもしれない。
しかし、風間監督は「集中力」とはまったく違う意味合いがあると言う。「集中力は少し大きくて散漫な感じがする。注意力というのはできる最善のことを尽くすということ。やっていないこと、理解していないことは注意力ではありません。でも普段やれていることをやれないというのは注意力が足りなかったということです。足の出し方、ボールの止め方、そういうところでもっと高い注意力を出せていれば、自分たちはもっと勝てているはず」と、風間監督はこのワードをあえて使う意味を力説する。
選手たちも「もっとミスをしないように注意しないと」とか、「自分たちのやれることをやるように注意したい」と言うようになっていて、この短いフレーズがすんなり頭に入っている感じだ。
練習でできていることを試合でもしっかりと出すこと。足の先まで細心の注意を払うこと。もったいないミスから失点を喫し、残留争いに巻き込まれている現状からも、この『注意力』という言葉は、残り3試合の勝利を引き寄せる言霊なのかもしれない。
(名古屋担当 斎藤孝一)
2018/11/09 13:05