長崎の高木琢也監督が愛弟子に二ケタ得点を厳命した。
前節、名古屋戦で自身初となるハットトリックを達成し、チームの8試合ぶりの勝利に大きく貢献した鈴木武蔵。「あの才能を引き出すことが最大の補強」とシーズン前から話していた高木監督にとっては根気強く、指導を重ねてきた成果が表れたと言えるだろう。鈴木自身も「FWに対してのアプローチは勉強になる」とその指導の効果を実感している。
これで今季の得点数を9に伸ばした鈴木だが、高木監督は「これは本人にも伝えてください」とした上で「一ケタ得点と二ケタ得点とでは全然、違う。来年の給料という意味でも500万円は違ってくる。FWというのはそういうもの」と二ケタ得点まであと1得点に迫った鈴木へハッパをかけた。それは現役時代に同じポジションでプレーし、得点という結果で評価されてきた高木監督も感じてきたもの。だからこそ、鈴木に対して二ケタ得点を達成してほしいという親心もあっての言葉だった。
J1残留争いにあって勝つためには得点が求められる。試合を重ねるごとにFWとしての責任は重くなるが鈴木自身は平常心をキープしている。「重みというのは感じていますけど、気負わずに。そこばっかりに気を向けるのではなくて、サッカーを楽しむということをまずやっていこう」という心境を大事にしている。
残留争いに向けて重要な今週末の仙台戦。平常心で臨む鈴木が二ケタ得点を達成し、チームを勝利に導けるか。注目したい。
(長崎担当 杉山文宣)
2018/09/20 17:50