新潟は4日、中野幸夫代表取締役社長の今季限りでの退任と、3日付けで是永大輔氏(新潟シンガポール社長)が専務取締役に就任したことを発表。また2日付けで木村康彦強化部長を解任し、昨季まで同職を務めた神田勝夫氏(新潟医療福祉大学教授)が再任することが併せて発表された。
8月7日の鈴木政一前監督解任に続き、クラブの根幹を左右する人事異動。中野社長は「監督、強化部長交代という“カード”はすべて私が切った。社長である私にすべての責任がある。チームが残り11試合、一丸となって戦いきるためには責任の所在を明確にすべきであると考え、最後のカードを切った」と、3日に行われた取締役会で辞意を表明し、承認を受けた。後任は未定で12月の会議で決定される。
また是永専務に関しては、シンガポールを拠点にサッカーを軸としたさまざまな事業展開をしている手腕を評価。「グローバルな視点で地域と連係することに期待したい」と、今後のクラブ発展を見据えての人事であることを明かした。
J2リーグで第31節を終えて、新潟は現在19位。「残り11試合で一つでも勝ち星を上げる策」(中野社長)として現場に招かれたのは、昨季まで強化部長を務めた神田氏だ。「僕の使命はJ3にいかせないこと」。選手補強については、すでに移籍ウインドーは閉まっており、追加登録期限の9月14日までにフリーの有力選手を見つけるのは難しい状況。現実的な強化プランは「いまいる選手の特徴は頭に入っているつもり。彼らがもっているパフォーマンスをもっと出せるはず」と、片渕浩一郎監督らとともに、現有戦力のポテンシャルを引き出しきることに主眼を置く。選手として4年、強化部スタッフとして14年を過ごし、新潟を支え続けてきた豊富な経験を注ぐ覚悟だ。
大きな決断を下した新潟は、J2残留という最低限のミッションを果たすために、ここからさらに一丸となって突き進む。
写真:野本桂子
(新潟担当 野本桂子)
2018/09/05 10:29