湘南・新井光が7月26日から8月12日まで、スペイン、エイバルのU-23チームの練習に参加。「基礎技術が高く、フィジカルも強かったですけど、全然やれたと思います」と一定の手ごたえを口にした。
年代別代表にも名を連ね、期待を背負いながら市立長野高から加入した今季だが、ここまでリーグ戦出場は1試合のみ。なかなか出番が得られない状況の中で「きっかけが欲しかった」と、短期留学を決めたようだ。
エイバルのサッカーは、高い位置からプレスをかけてショートカウンターを繰り出すスタイル。湘南に近しいものがあり、「前からいく、縦に速い、という部分は似ていて、湘南でやってるプレーを変えずにできました」と話す。
一方で、守備のやり方には違いを感じた模様。「[4-4-2]の左サイドに入って、相手のサイドハーフに対してまっすぐプレッシャーにいく。ほかのマークはほかの選手に任せて、自分の守るエリアがはっきりしている感じでした。プレスにいくときも、ボールをもっている選手に寄せながらも後ろの選手へのパスコースを消しながらでした」と、細かい違いを感じたようだ。
トップチームで印象に残った選手には、チリ代表のファビアン・オレジャナをあげた。体格に恵まれているわけではないが、狭いスペースでもサイドでもプレーできる器用さがあり、「前から知っていて、やっぱり参考になるし、うまいなと思いました」と話した。
この経験で得たものは、「スペインにいったから急にうまくなることはない」と前置きをしつつ、「帰ってまた湘南の練習に参加したとき、新鮮さもあったし、プレーの余裕もできました。『自分のストロングはなんだろう』と考えたときに、ミスをしてもいいからゴールに向かって、相手に怖いと思わせる選手にならないといけない。向こうでは点をとったり危険なプレーをしたりすれば、自然とパスが入るようになります。結局はそこだなと感じましたし、それは湘南でも見せていく必要があります」と説明。ゴールへの積極性をあらためて感じ、充実の時間を過ごしたようだ。
なお、エイバルといえば昨季まで乾貴士が所属したクラブとしても有名で、新井も同じ日本人ということで温かい歓迎を受けたよう。だが、残念ながら乾本人とコンタクトはとれなかったようだ。いずれは戦力としてオファーがくるほどの選手に成長することを期待したい。
(湘南担当 中村僚)
2018/08/29 20:27