再び、メンバーに入った。浦和の榎本哲也が、22日の天皇杯ラウンド16・東京V戦でベンチ入り。今季開幕戦、5月のルヴァンカップでサブに入って以来、3度目のことだった。
「長かった。うん、長かったですよね」
本人は感慨深けに、ただほっとしたようにも映る表情でケガに苦しんだ日々を振り返った。
1月の沖縄キャンプ序盤で受傷したのは、右足かかとの骨挫傷。「足をつくのも痛い」というような、私生活にも支障をきたす厄介な負傷だった。その後何度か復帰するものの、そのたびに筋肉系のケガに見舞われた。右足をかばっての結果だ。浦和に加入して2年目の今季は、実に苦しい日々が続いた。
「こんなに長くかかったケガは、これまでなかった」(榎本)。右足の状態も良くなり、6月に全体練習に合流してから、少しずつ、少しずつ状態を上げていく。「コンディションが上がってきたし、次はメンバーに入るか」。土田尚史GKコーチから告げられたのは、東京V戦3日前の19日のことだった。
現在はリーグ戦159試合連続フル出場(継続中の記録で最多)を続ける西川周作が万全の状態、ルヴァンカップでは福島春樹が好パフォーマンスを見せて第2GKの座を確かなものにしていた。岩舘直も負傷から復帰して突き上げがある。そんな状況下でも、「耐えて、耐えて、練習してきた」からこその今回のメンバー入りだった。
ついに公式戦出場を見据える立場になったが、ルヴァンカップで敗退したこともあり、すぐにチャンスが訪れる可能性は少ないといえる。それでもーー。榎本は「はっきりと勝ちにこだわる監督のもと、勉強になる日々」と現状を前向きにとらえて、“その日”のための準備を続ける。
写真:田中直希
(浦和担当 田中直希)
2018/08/24 16:12