昨年11月のJ2第40節・町田戦で左膝蓋腱断裂(全治6カ月)の大ケガを負った千葉の乾貴哉がいよいよ復帰間近だ。ゴールデンウイーク中に全体練習に合流すると、4日からは全メニューを精力的にこなしており、「長かったけど、オフを挟んだから結構、早く感じた。練習の雰囲気も悪くないし、自分から盛り上げられたら」と意欲的だ。
順調な回復と言っていいだろう。「(全体練習合流から)1週間ぐらいは対人とかは避ける予定だったが、1週間経たないうちに、対人もやっている。ボールタッチの感覚も(ケガする)前と変わらない」とサッカーができる喜びを感じながら、コンディションを整えている真っ最中だ。
今節・新潟戦が行われる12日は22歳の誕生日。「ちょっとでも出られればいいが、まだそこまではいけてない。でも今月中には試合に出たい」と、試合復帰はまだ少し先になりそうだが、表情は明るい。
ただ、自ら「激戦区」と表現する左SBあるいは左ウイングバックの人材は豊富。身体能力抜群の高木利弥や3戦連続先発中のホルヘ・サリーナスらとのポジション争いを制さなければ、出場機会を得られないことも十分承知しており、「ここからどう成長できるかが大事。一日一日の練習で監督にアピールしながら、頑張りたい」と地に足をつける。
ここで気がかりなことが一つ。乾の合流により、長期離脱は本田功輝の一人だけになった。ともにリハビリに励んできた高卒ルーキーに対し、「一人だったら、気が紛れない部分もあったので…」と感謝したあとは「アイツは明るいので一人でも大丈夫。心配ではない」と必死の照れ隠し。ただ、リハビリの辛さは身に染みている。口にこそ出さないが、本田が自転車に乗れない時期には寮からの送り迎えを買って出たように、今後もサポートを誓う後輩思いの優しい先輩であった。
(千葉担当 大林洋平)
2018/05/10 18:01