ホームで行われた前節・金沢戦に敗れ、3連敗となった東京V。開幕から10戦試合はわずか3失点の堅守をベースに無敗を続けてきたが、ここ3試合で7失点。得点も1とゴールが遠く、「チームが自信を失っているようで心配だ」と、ロティーナ監督は心情を吐露した。
しかしオフ明けの9日、練習は非公開で行われたが、記者が駐車場に車を止めてクラブハウスまでグラウンドの外周をぐるっと回って歩いていく間、いつもより確実に大きく、しかも多くの声が聞こえてきた。木立が茂っているため歩道からグラウンドの様子はほとんど見えないが、とにかく元気のよさと、互いに要求し合う激しさからは危機感も伝わってきた。
練習終了後、DF井林章に「何か変わったことは?」と聞いたところ、「いや、いつもと同じで、特に変える必要もないし」と、特に3連敗後で何かテコ入れしているわけではないようだ。ただ、「毎日の練習をいかに突き詰めてやっていけるかと、あとはこういうときこそ雰囲気を盛り上げていくべきかなと、いつも以上に声を出すことを意識した」と、いつもクールな主将は言葉に力を込めた。
MF井上潮音によれば、「選手でミーティングをしたわけではないけど、ロッカーとかでみんなで『練習から盛り上げよう』という感じで話した」という。「アップで普段声を出してない選手がわざと声を出したり、確認すべきところをお互いに声をかけあったり、いい雰囲気でできたと思う」と、充実した顔を見せた。
ベテランのDF田村直也も、「ここでそうならないとおかしい。逆に(言えば)負けてからではなくて『今までもっとやれよ』という話なんだけど、それでも原点に立ち戻って、ここからリスタートの気持ちですよ」と、チームにポジティブな変化を感じている。
今節は土曜日、アウェイでの山口戦。「甘い相手ではないので、覚悟をもってやっていきたい」と、復調への勝利を誓った。
(東京V担当 芥川和久)
2018/05/10 07:00