前節・清水戦で8試合ぶりの勝利を挙げ、連敗を『7』で止めた鳥栖のなかで、ある心残りがあったのが権田修一だ。
ウォーミングアップでチョン・スンヒョンが体調不良を訴え、先発が急ちょ、変更。試合ではオウンゴール、小野裕二の退場がった。7連敗の最中であり、試合ではさまざまなアクシデントが起きる状況だったが「普通だったら負けちゃうような試合ですけど、そこで勝てるっていうのは結果が出ていない中でも誰一人あきらめずにやり続けてきたからこそ」と権田。連敗中もチームがバラバラになることなくまとまりをもって取り組めた成果だと胸を張った。
しかし、そんな権田だったがあることに触れて少し、悔しさをにじませた。あることというのはビクトル・イバルボの復帰だった。「(清水戦は)ビクトルが出てきてくれてうまくまとめてくれましたけど、僕からしたらビクトルがいないときに勝ちたかったなというのが正直な本音」と話す。その理由は「素晴らしい選手で、ビクトルがいたら何とかしてくれる。でも、いなかったら(どうにもならない)、みたいなのは…。『いなかったら』に含まれる僕は悔しい」という思いからだった。結果的にイバルボ不在時は連敗が止まらず、復帰した試合で勝利を挙げたことでそういう見方が強くなってしまう。その状況を作ったことが悔しい様子だった。
「その日に出るメンバーが結局、ベストメンバー。けが人が出れば大変かもしれないですけどそれを言い訳にしているようじゃ上にはいけない」と権田は言う。この思いは常に言い続けてきた。守護神が抱えた悔しさをどれだけチーム全体が共有できているか。鳥栖が這い上がっていくための重要なキーファクターになるのは間違いない。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2018/05/08 21:31