バイアは優しく器の大きい男だ。練習後、ファンが並んでユニフォームとペンを持っていれば、サインと写真撮影に快く応じる。家族が試合や練習に訪れることも多く、そのときは子煩悩ぶりを発揮した優しいパパの一面を見せてくれる。記者とも目が合えばにっこり笑って「コンニチハ」とあいさつしてくれる。
そんなおおらかな心は、どのように育まれていったのか。どうやら、ボクシング選手であり、マラソンランナーでもあった父親の影響があるようだ。
「小さい時から笑顔を忘れないように過ごしてきました。父が常に笑顔を絶やさない明るい人だったんです。それを見て育った私も、自然と笑うようになりました。私がサッカーを始める前にもいろんなところへ連れていって、いろいろなスポーツをやらせてくれました」
そんなバイアのお父さんもバリバリのスポーツ選手だったようだ。その競技はなんとも意外なものだった。
「父はボクサーで、マラソンランナーでもありましたね。私自身も水泳だったりフットサルだったり、マラソンとは言えないまでも走り回ることは多かったですね。それでもサッカーが好きだったので、最終的にサッカーを選びました」
そんな優しく大きい心の持ち主も、ピッチ上では闘争心をむき出しにして相手エースを封じ込める。次節・広島戦で完封できるかどうかは、最終ラインの真ん中にたたずむこの男の足にかかっている。
(湘南担当 中村僚)
2018/04/13 22:44