過去にJ1残留争いを戦い、生き残ってきたイメージを持たれることの多い大宮だが、残留争いを制した経験を持つ選手は現在のチームには多くない。その数少ないメンバーの一人が、チーム最古参の金澤慎。厳しさを増す残留争いの中、何よりも強調するのはメンタル面の重要性だ。
「ここまで来たら気持ちの部分が本当に大きいと思います。みんなそれぞれ持っている『残留したい』という気持ちを一つにして、そういう流れを作っていきたいと思っています」
もちろん、一人ひとりが残留への思いを持っていないわけはない。しかし、勝利の遠い状況では気持ちのベクトルが合わないことも増えてくる。そんなときだからこそ、まず何から取り組むべきかという点を、金澤は説く。
「やっぱり練習で取り組んでいることをゲームでやるだけなのかなと。個人個人、思うところややりたいプレーはあると思うんですけど、『チームとしてこうやろう』というのを(伊藤)彰さんは提示してくれているので、まずはそれにチームとして取り組んで、しっかり結果を出して、そのあとにいろいろと自分たちの『こうやりたい』というのをプラスしていくのが、一番良い形なのかなと思います」
トレーニングでは攻撃面の継続をしつつ、守備面でのオーガナイズをあらためて組み上げているところ。「あとは本当にいろいろな状況に応じて、どう対処していくのかをもっと詰めていくだけ」と金澤。その方針を踏まえながら、結果をつかんで好循環に持ち込むことを誓う。
「次のマリノス戦でしっかりと自分たちが継続してやっている部分と、新たに取り入れている部分をゲームで出して、自分たちの自信を深めて、『俺たちはできるんだ』という自信をつけて、そういう流れに持っていきたいと思っています」
次のリーグ戦は10月14日。背水の陣となった大宮は、自信を取り戻して再加速するため、準備を続けていく。
(大宮担当 片村光博)
2017/10/07 07:00