今節の讃岐戦を前に、主将の三門はこんな言葉を口にした。
「自分たちから楽しむことが必要だと思う」
そしてすぐに注釈をつけた
「楽しむと言っても、ショートパスをたくさんつないで相手をいなすような“楽しみ”ではなく、11人でサッカーをやるという意味での楽しさのこと」
記者が十分に理解していないと見た三門はさらに続けた。
「みんなでガツガツとボールに寄せてボールを奪い取る。個人技ではなくグループとして、チームとして連動して相手守備陣を崩す。誰かがドリブルをして、あるいはチャレンジパスを狙って失敗、相手ボールになっても周囲がすぐにカバーに動く。誰かが誰かのために仕事をする。そして、それに充足感を覚える。それがサッカー、それが楽しいという感覚を思い出すべきときだと思う」
なぜ、いまそんな楽しさの追求が必要なのか、主将はこう解説する。
「リーグの前半戦は、そういう意識がみんなの中にあった。でも、上位にいるうちに他人に厳しくなる傾向が出てきた。ボールを失えば、失った本人に『すぐに切り替えていけよ』との声が飛ぶ。確かにそういう厳しさはさらなる成長のためには必要なんだけれど、互いに信頼し合い、助け合うこともそれ以上に大事」
昇格へのプレッシャーが高まるリーグ終盤戦に向けて、確かに三門が言う『楽しさ』は一丸を促すためにも欠かせない要素となりそう。
「そんなことをいま一度、みんなに話してみようかと思っているんです」
三門の言葉による変化が表れるのか。今節の讃岐戦はそんなところにも注目したい。
写真:島田徹
(福岡担当 島田徹)
2017/08/31 18:00