前節、4試合ぶりに先発し、鳥栖の今季リーグ戦アウェイ初勝利に貢献した豊田陽平。今季はチームがシンプルなクロスよりもペナルティーエリア付近でのショートパスを意識していることもあり、豊田本来の良さが生かされない試合が続いていた。しかし、広島戦では藤田優人がシンプルに長いボールを入れたこともあり、豊田本来の良さが生きる場面が多く見られた。豊田自身も「久しぶりに鳥栖として戦っているなと感じた」と一定の手ごたえを感じている様子だった。
しかし、ここから豊田自身のプライドが顔をのぞかせた。記者から「清水戦で先発することになったら意識することは?」という質問が飛ぶと「先発するとなったらということを考えないといけないのはサッカー選手として寂しい。サッカー選手としてサッカーをしたいですから、まず清水がどうのこうのより自分の仕事を何も考えずにできる状況に持っていきたい。それがいまの自分の気持ち」と自身の心境を語った。
さらに「広島戦で得点に絡んだことで気持ちがラクになった部分は?」という質問が続くと「まったくないですよ。こういった質問がある時点で自分が低いところまで来ているのでは(と感じる)。あとは登るだけだと考えて、良かったころを思い出すわけではないですけど、そういうところまで持っていけるようにやっていきたい」ときっぱりと否定し、はい上がっていくことへの強い意欲を示していた。
広島戦で示したように身体的な強さや献身性は鳥栖にとって頼もしい武器であることに変わりはない。豊田が再び、羽ばたくことを多くのサポーターが期待しているはずだ。
(鳥栖担当 杉山文宣)
2017/08/03 16:42