15日のJリーグワールドチャレンジで浦和と対戦するドイツのボルシア・ドルトムント。そのブンデスリーガ優勝8回を誇る欧州屈指の強豪の指揮官に今季就任したのが現役時代、市原(現・千葉)でプレーしたピーター・ボス監督だ。名将の当時を知る千葉の江尻篤彦コーチとMF佐藤勇人が印象や思い出を語ってくれた。
ボス監督が市原でプレーしたのは96年途中~97年と99年。育成組織に所属し、トップチームに練習参加していた佐藤勇は直接会話を交わしたことはないが、同じボランチの選手として参考にしていたという。「真ん中にドンと構えて、ボランチという仕事を100%やっていた。シンプルなプレーを心掛け、それによってチームが良いテンポになったイメージがある。これが『助っ人だな』という感じで見ていたし、勉強になった」と振り返る。
そして、より身近で接していたのが96~98年に市原で主将を務めた江尻コーチ。4歳年上の“助っ人”の印象は「頼りがいのある素晴らしい人格者」。成績があまり良くない時期だったといい、「97年の最下位争いは彼が救ってくれた。『軽い』という言葉が合っているようなチームで、しっかりボールを奪うプレーができなかったが、先陣を切って僕らにそういうプレーを見せてくれた」と懐かしむ。
プライベートでも交流があった。
「何回かご飯を食べに行って、一杯ひっかけながら、『もっとこういうふうにしないといけないね』と通訳を交えて会話した覚えがある。彼が最後、(母国・オランダに)帰るときは朝まで彼の家で飲み明かした。そのぐらい彼も心を開いてくれていた」
ボス監督の来日中には会いに行く予定だ。
「あのときのジェフの話と、いまのジェフの話をして、(千葉を)見る機会があれば、見てほしいと思う。僕自身も刺激をもらいたいし、次のステップへ上がるためにはすごく大切な機会になる」
ひさびさの再会を心待ちにする千葉のレジェンドは、まるでサッカー少年のように目を輝かせていた。
(千葉担当 大林洋平)
2017/07/11 18:53