ファンマの負傷により、ここ最近は1トップの位置に入る機会が増えている長崎の中村慶太。「自分はサッカー界だと小柄なほうなので」と自認しているが、持ち味のスピードやドリブルだけでなく相手を背負うプレーでも力強さを見せている。その背景の一つにあるのが取り組んでいる体幹トレーニングだ。「今年はフィジカルコーチと良い関係が作れているし、筋トレのやり方一つひとつをしっかり意識して取り組むことができている」と中村は吉満樹フィジカルコーチとの関係性に手ごたえを感じている様子だ。
これまで多くのJクラブで指導してきた吉満コーチにその取り組みについて聞いてみると「元々、アイツ(中村)は体幹強いですよ。メニューも自分で考えてやっているし、僕は外から見ているだけ」という意外な回答が返ってきた。吉満コーチが施したのは意識の部分だという。「それが大切だっていうのを自分で感じてやるのと何となくやるのとでは違ってくる。その意識のところだけしか僕は言っていない」。
吉満コーチが行ったのは中村の思考の整理すること。「僕がやったのは(例えるなら)机の上をきれいにして肝心なときに探さなくてもいいように整えてあげただけ」と話すように、より効率的な成果が生まれるようにサポートした。
中村の肩甲骨周りと大胸筋の発達具合は練習着の上からでもその分厚さがよく分かる。「素材としてもかなり良いし、うまくトレーニングしているからスピードと強さを兼ね備えた状態になっている」とこれまで多くの選手と関わってきた吉満コーチも中村を高く評価する。
「ここからもその質を上げていきたい」とどん欲な中村のフィジカルはまだまだ向上していきそうだ。
(長崎担当 杉山文宣)
2017/06/19 16:15